第3四半期のGDP成長率は前期比マイナス0.2%

(スイス)

ジュネーブ発

2018年12月06日

経済省経済事務局(SECO)は11月29日、スイスの2018年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を発表した。ここ1年半、前期比で拡大を続けていたが、第3四半期に成長スピードが減速しマイナス0.2%となった(表参照)。

表 スイスの実質GDP成長率(前期比)

これはドイツをはじめとした欧州経済が急減速していることと符合している。前年同期比でみると第3四半期は2.4%成長を確保しており、これは6月時点にSECOが示した2018年通年の実質GDP成長率と同じだ(2018年6月28日記事参照)。ドイツの2018年の実質GDP成長率見通し1.7%、ユーロ圏2.1%より依然として高く、減速しているとはいえ、引き続き堅実な成長が見込まれる。

輸出をみると、第1、第2四半期の輸出を牽引してきた工業製品と電力輸出が減速し、財貨の輸出も4.2%減と大きく減少した。ただし、輸出に関しては2018年10月時点で回復の兆しもみえている。

産業別では、これまで比較的高い成長率を示していた農業および工業も前期比0.7%減、政府部門も0.4%減に転じ、第2四半期から前期比がマイナスの貿易、通信、輸送産業とともに成長が減速している。ビジネス関連サービス(0.7%増)やヘルスケア分野(0.5%増)では低いながらも成長を続けており、これは国外からの下請け需要が根強いことを示している。

(和田恭)

(スイス)

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