連邦統計局長官が交代、データ収集と統計算出手法の見直しへ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年12月25日

ドミトリー・メドベージェフ首相は12月24日、新しいロシア連邦統計局長官にパベル・マルコフ氏を任命する政府指示(2018年12月24日付第2917-r号)に署名した。同氏は1980年生まれで、出身地サラトフ州(沿ボルガ連邦管区)の州政府、経済発展省政府調整局長などの勤務経験がある。マルコフ氏は就任に当たり、インターファクス通信のインタビュー(12月24日)で自身の課題について触れ、統計制度の改革、(政府への)報告制度の改革、2020年に予定されている国政統計調査の円滑な実施、の3つを挙げている。

プーチン大統領による2024年までの内政目標(マイスキー・ウカス、2018年5月8日記事参照)の発表以降、連邦政府にとって統計情報の重要性が高まっている。10月には政府の活動基本方針(2018年10月3日記事参照)が決定。12月21日にはメドベージェフ首相がプーチン大統領と面談し、活動基本方針を受けた12の基本計画(国家事業)の策定が終了したことを報告している。統計情報が社会経済・財政政策、政権への評価に直結するため、経済閣僚を中心に統計やその算出方法に関心を持ち始めている。アントン・シルアノフ第1副首相兼財務相は、他の経済統計に比べて著しく回復が遅れている国民の実質可処分所得について、「統計局以外で(可処分所得の)算出方法を誰も知らない」と疑問を呈している。同副首相は今回の長官交代に際しても、統計局の組織改革の必要性にあらためて言及している。

マルコフ氏が課題として挙げた「(連邦統計局への)報告制度の改革」については、「企業や政府機関からさまざまな報告書を毎年提出させており、(企業や政府機関の)重荷になっている」と発言。簡素化を進め、企業と政府機関の負担を減らす意向を示している。

(高橋淳)

(ロシア)

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