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民間投資を含む新国家事業、総額10兆ルーブル規模

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年11月30日

プーチン大統領が掲げる内政目標の達成に向け、民間投資を含む新たな国家事業を立ち上げる作業が進んでいる。財源不足を民間資金で補いたい政府側と、国家事業になることでさまざまな支援を得たい大企業を中心とした民間側の駆け引きが続いている。

アントン・シルアノフ第1副首相兼財務相は11月28日、大統領を議長とする閣議で、政権の内政目標達成に向けた国家事業の総額が民間投資3兆ルーブル(約5兆1,000億円、1ルーブル=約1.7円)を含む10兆ルーブル規模になると報告した。2024年までの内政目標(2018年5月8日記事参照)の政策実施予算を確保すべく、当初、アンドレイ・ベロウソフ大統領補佐官は鉄鋼、鉱業、石油化学、肥料メーカーの14社が2017年に得た余剰収入の総額5,000億ルーブル超を徴収・活用することを提言していた(2018年8月20日記事参照)。これに業界が激しく反発し、市場の混乱も招いたため、該当企業からの投資を含む新たな国家事業を立ち上げるという妥協措置で最終的に合意していた。

事業の方向性はインフラ発展、デジタル経済、環境保全とされ(「RBK」8月28日)、政府は有力経済団体のロシア産業家企業家連盟(RSPP)と合同で作業部会を設立。計981件、総額約80兆ルーブルの事業案が民間側から提出され、作業部会で総額10兆ルーブル規模の174件に絞り込まれた。174件の事業の詳細は明らかにされていないが、シルアノフ第1副首相は大規模事業の一例として、北極海航路の貨物輸送量の拡大やシベリアでの鉄鋼生産や天然資源採掘、輸送・エネルギーインフラの発展、農業のIT化、廃棄物処理産業の発展や鉄鋼・非鉄企業の設備更新などの分野で大規模投資が予定されていると言及した。

一方、同じ閣議でアレクセイ・クドリン会計検査院長は、総額10兆ルーブルのうち7兆ルーブルに国の予算が充当される懸念を表明。選抜された事業の中にはもともと民間企業が自己資金による実現を予定していた自社投資計画も含まれていると述べ、国家事業への民間投資誘致の案が、逆に民間セクターへの国家支援策にすり替わっているのではないかと疑問を投げ掛けた。また、民間セクターでも「自社の事業が(国の)インフラ事業と認定され、さまざまな支援を受けたい」との本音があると報道されており(「RBK」11月29日)、引き続き検討を続けていくことが確認されている。

(市谷恵子)

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