内閣を改造、外相や国防相など8ポストが交代
(ルワンダ)
中東アフリカ課
2018年10月29日
9月のルワンダ下院議員選挙を受け、ポール・カガメ大統領は10月18日、内閣を改造した。全26ポストのうち外相、国防相など8ポストが交代となる。
外相には、フランス語圏国際機関(OIF)の次期事務総長に選出されたルイーズ・ムシキワボ氏(2018年10月22日記事参照)に代わり、上院議員のリチャード・セジベラ氏が起用された。米国大使、保健相、東アフリカ共同体(EAC)事務総長、大統領補佐官(大湖地域問題担当)を歴任したベテラン議員だ。また、2010年から国防相を務めていたジェームズ・カバレベ氏は大統領補佐官(国防担当)に任命され、国軍出身でジガマ銀行最高経営責任者(CEO)を務めたアルバート・ムラシラ氏が後任の国防相に就任した。政府は国防相交代の理由を明らかにしていないが、ウガンダ在住のルワンダ人逮捕問題であつれきのある隣国ウガンダとの関係改善を図りたいとする見方がある。また、外相を務めるセジベラ氏が有するウガンダとのパイプも問題解決に役立つとみられる。
ルワンダ政府が力を入れる政策担当ポストの情報通信技術(ICT)・イノベーション相には、ルワンダ開発庁(RDB)でICTを担当した若手のポーラ・インガビレ氏を起用。このほかには、地方自治相、貿易産業相、ジェンダー相、スポーツ・文化相、緊急事態担当国務相が交代となった。エドゥアルド・ンギヘンレ首相を含む18閣僚は留任した。
下院選挙では与党が圧勝するも、野党が初めて議席を獲得
9月に下院議員選挙が行われ、国家選挙管理委員会(NEC)によると、カガメ大統領の率いるルワンダ愛国戦線(RPF)を含む与党連合が74%の得票率で勝利した。過去の選挙では、野党は議席獲得の要件である5%の得票率を満たせず、全ての議席を与党連合が占めていたが、現行の選挙制度(2003年)になって初めて、野党(民主緑の党、PSインベラクリ党)が議席を獲得した。また、女性の政治参加も進んでおり、80議席のうち24議席は女性議員が指名される下院では、49議席(61.2%)が女性議員となった。女性起用義務はない内閣でも今回、半数の13閣僚を女性が占めた。
(山崎有馬)
(ルワンダ)
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