メルコスール、14年ぶりに中国との対話を再開

(南米南部共同市場<メルコスール>、中国)

ブエノスアイレス発

2018年10月29日

南米南部共同市場(メルコスール)加盟国(アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル)は10月18日、ウルグアイの首都モンテビデオで、2004年以来、14年ぶりとなる中国との次官級による対話会合を行った。

発表文書によると、メルコスールと中国は対話を維持し、双方の関心分野をすり合わせることで協力関係を深め、貿易・投資促進に適切な役割を果たす限り、この対話を継続的に行うことに同意した。また、双方の経済情勢に関する情報交換および貿易・投資の流れについて検証が行われ、継続的に規制に関する情報提供や貿易を促進するための措置を取ることで合意した。世界貿易の中心的役割を担うWTOを強化し、多国間による貿易体制構築に向けて協力することも再確認した。2018年1月には、「ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)・中国フォーラム第2回閣僚級会議」がチリで開催されており、2国間に限定されない開放的な市場や地域統合について触れた経緯があり、本会合はその具体的な取り組みの一歩になった。

メルコスール側議長国であるウルグアイの外交官によると、メルコスール加盟国と中国との関係におけるそれぞれの事情から、2005年に対話体制が機能しなくなり、2012年に再開を試みられたが、結果に結び付かなかった。ウルグアイ外務省は、14年間のブランクを経て会合を開催できたこと自体が重要なマイルストーンだと評価している。また、ウルグアイにとっては中国との対話を再開することが優先事項だったとし、2018年6月にパラグアイで行われたメルコスール首脳会合において言及された、同年下半期にメルコスールと中国双方の交渉官による会合を開く、という任務を果たすことができたとした(2018年6月22日記事参照)。

メルコスール加盟国は、中国との対話の再開に肯定的な評価を示している。次回会合は2019年に開催することで合意されている。

(高橋栞里)

(南米南部共同市場<メルコスール>、中国)

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