メルコスール首脳会合、対外通商交渉に積極姿勢

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年06月22日

南米南部共同市場(メルコスール)首脳会合が6月18日にパラグアイで開催された。2018年上半期の議長国パラグアイのロイサガ外相は、議長国期間中における成果として、メルコスール構造統合基金(FOCEM)による域内インフラプロジェクトなどの実現、域内通商関連規則の見直しなどによるメルコスールの機構整備、対外通商交渉の進展、域内の情報通信分野の統合を目指したメルコスール情報通信部局の成果の4点を挙げた。中でも対外通商交渉では、EUとの交渉進展に加え、カナダ、韓国とも通商交渉を開始した点に触れ、カナダとは最初の交渉会合から48カ月以内に終結するとの見通しを述べた。

2018年後半の議長国となるウルグアイのロドルフォ・ニン・ノボア外相は演説で、域内貿易を推進し関税同盟の発展を図るための具体的な行動を進めることに加え、域外との通商協定推進に積極的な姿勢を示した。具体的には、交渉中の協定に加えて、「シンガポール、インドネシア、さらに状況によってはASEANの関心国、ユーラシア経済連合(EEU)、その他主要な通商相手国」という表現で通商交渉の可能性がある国・地域に言及した。

さらにウルグアイの重要な通商相手として中国の存在を強調し、メルコスールと中国の経済・通商関係に関して最良の枠組み構築に向けた議論を再び模索したいとの意向を示した。具体的には議長国として、2018年後半にメルコスールと中国双方の交渉官による会合を開き、双方の通商関係の状況を検証し、関係を深める上での関心分野の特定を図りたいとした。

なお、今回の首脳会合には、議長国パラグアイのカルテス大統領のほか、ブラジルのテーメル大統領、アルゼンチンのミケティ副大統領、ウルグアイのバスケス大統領、ボリビアのリネラ副大統領が出席した。

(二宮康史)

(ブラジル)

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