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財政赤字が拡大、財務相が中期予算方針を発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2018年10月29日

南アフリカ共和国のティト・ムボウェニ財務相は10月24日、今後3年間の政府予算の方針を定める中期予算方針を発表した。冒頭、「南ア経済は岐路に立たされている」と危機感を示した上で、2018年の実質GDP成長率の見通しを、2月発表の1.5%から0.7%に下方修正すると発表した。2018年上半期のマイナス成長と、世界経済の先行きが依然として不透明なことを理由に挙げた。一方で、ラマポーザ大統領が9月に発表した景気刺激政策を通じた、市場の信頼回復と投資の伸びにより、2021年までにGDP成長率は2.3%まで上向くとの見方を示した。

2018/2019年度(2018年4月~2019年3月)の歳入は、個人・法人所得税の減少や4月の付加価値税(VAT)増税に伴う還付額の増加を理由に、2018年2月の予算案時点から、274億ランド(約2,082億円、1ランド=約7.6円)減少する見通しを示した。これにより、2018/2019年度の経常赤字はGDP比4.0%と、同予算案時点で発表した3.6%から悪化する。公的債務(グロス)も、2018/2019年度は前年度のGDP比52.7%から55.1%へと拡大し、2023/2024年度には59.6%まで拡大するとの見通しが示された。

財政支出も、不採算経営が続く南アフリカ航空をはじめとする国営企業への追加支出や干ばつ救済金により拡大したが、偶発損失準備金の取り崩しによって財政支出シーリングは保たれているとして、財政規律の健全性を強調した。財政再建に向けて、国営企業改革のほか、公共支出の見直しや、民間資金を活用したインフラ整備を進めるための「インフラ基金」の設立案が示された。

今回の財政赤字拡大の発表を受け、南ア国債の格下げへの不安がさらに高まっている。特に大手格付け会社のうち、唯一、「投資不適格級」としていない米国ムーディーズの発表に注目が集まる(現在は投資適格最低の「Baa3」、2018年6月20日記事参照)。当地大手銀行ネドバンクの調査グループは、ムーディーズの格下げへの踏み切り、ないしは「ネガティブ」の方向性が付与される可能性が高いと予測している。なお、通貨ランドは、中期予算方針発表前日の1ドル=14.18ランドから、発表翌日には1ドル=14.47ランドに下落した。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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