CPTPP、国会で11月中旬に批准の見通し

(ベトナム)

ハノイ発

2018年10月23日

ベトナム政府は10月16日、10月22日~11月21日に開催予定の第14期第6回国会において、「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)」の批准決議案が審議されると、ウェブサイトを通じて伝えた。決議案は11月13日までに承認され、批准となる見通しだ。

CPTPPは、2017年11月に11カ国による大筋合意を経て、2018年3月に正式署名された。署名した11カ国のうち、6カ国以上が国内手続きを終えれば、60日後に発効となる。これまでに国内手続きを終了している参加国は、メキシコ、日本、シンガポールの3カ国。現在、ベトナムを含め、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア(10月17日の議会で可決、2018年10月19日記事参照)が2018年内の国内手続き終了を目指している。

ベトナム政府は、世界的に保護主義と貿易摩擦が拡大する中、自由、公正、透明、国際法にのっとった多角的な貿易システムを推進する方針を示している。その中でCPTPPは、ベトナム・EU自由貿易協定(EVFTA)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)とともに、新世代の高度な水準の自由貿易協定になると期待している。

政府や有識者の中には、米国のCPTPPへの復帰を期待する声がある。グエン・スアン・フック首相は、2018年3月26日付の日本経済新聞と英国「フィナンシャル・タイムズ」紙との共同インタビューで、CPTPPは「米国の復帰が全参加国の利益になる」と述べ、米国の取り込みに意欲を示していた。一方で、米国が参加していないCPTPPに関して、当地政府系の経済研究者は、「大きな市場を持つ日本だけでなく、カナダやメキシコなどこれまでベトナムと通商協定を締結してない国も加盟しており、輸出拡大のメリットが十分期待できる」と指摘している。

(佐藤進)

(ベトナム)

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