CPTPP法案が可決

(オーストラリア)

シドニー発

2018年10月19日

オーストラリア国会は10月17日、「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)」の関連法案を可決した。投資家対国家の紛争解決手続き(ISDS)条項などをめぐりCPTPPに反対の立場を取る労働組合の動きがあり、野党・労働党の動向が注目されたが、33対15の賛成多数で可決された。

可決を受け、スコット・モリソン首相とサイモン・バーミンガム貿易観光投資相はプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発出。「CPTPP加盟11カ国のGDP合計は13兆8,000億オーストラリア・ドル(約1,104兆円、豪ドル、1豪ドル=約80円)に相当し、域内で98%の関税が撤廃される」と協定の意義を強調した上で、同協定が発効すれば、「雇用の創出や投資が促進されるほか、農業・酪農従事者は新たな市場へのアクセスが可能になる」とアピールした。

プレスリリースではその他、オーストラリア産牛肉に対する日本の関税がさらに削減されることや、小麦と大麦の貿易相手国での輸入枠の拡大、鉱業・資源に関する投資枠組みの明確化などへの期待にも言及している。さらに、引き続き国際的な貿易ルールに積極的に参加し、国内事業者にとって新たな市場を開拓するとともに、輸出者にとっても最適な貿易政策を追求していくとした。

CPTPPはメキシコ、日本、シンガポールが既に国内手続きを完了させており、オーストラリアが国内手続きを完了すれば、4カ国目の批准国となる。CPTPPは加盟11カ国のうち6カ国の批准60日後に発効する。

(中里浩之、小柳智美)

(オーストラリア)

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