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輸出増値税還付率の引き上げ対象を拡大、貿易摩擦の影響緩和へ

(中国、米国)

北京発

2018年10月12日

10月8日に国務院常務会議が開催され、輸出増値税の還付率を引き上げることを決定した。現行の還付率が15%の品目と、13%の品目の一部は16%に、9%の品目は10%もしくは13%に、5%の品目は6%もしくは10%に引き上げる。一方、高エネルギー消費、高汚染、資源関連、過剰生産能力削減の対象などの品目の還付率は変更しない。2018年11月1日から実施するとしたが、具体的な品目リストは10月11日時点で発表されていない。なお、現行の還付率は国家税務総局ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

今回の措置に先立ち、9月15日から集積回路や書籍など397品目を対象に輸出増値税の還付率引き上げが行われており、今回の引き上げは2018年内で2回目となる(2018年9月14日記事参照)。

この2回の措置は、米中貿易摩擦の輸出企業への悪影響を緩和する目的があるとみられる。清華大学米中関係研究センターの周世倹研究員は、輸出増値税の還付率引き上げについて「米中貿易摩擦発生後の中国が直面する厳しい外部環境という試練に対する有効かつ重要な手段」とした上で、「人民元安は為替操作との指摘を受けやすいが、輸出増値税の還付率引き上げは誰も責めることはできない」と指摘した(「21世紀経済報道」10月9日)。

一方で、輸出増値税の還付は、手続きや管理が複雑なため、人件費などのコストがかかること、還付申告から実際に還付を受けるまでの期間が長いことが以前から課題とされていた。国務院常務会議は還付手続きに係る期間短縮のほか、信用評価や納税記録が良好な企業に対し手続きの簡素化を進めるほか、対外貿易総合サービス企業(注)が手続きを代行することを奨励した。こうした措置を取り、2018年末までに手続きの平均期間を、現在の13営業日から10営業日に短縮するとした。

中国最大の対外貿易総合サービス・プラットフォームとされるアリババ中小企業国際貿易事業部の張濶共同社長は、同プラットフォームを利用することによって、「専門的な還付手続きの手引きやサービスを受けられることに加え、中小企業が資金繰りの問題に対処するために輸出増値税還付分の立替サービスを受けることができる」とし、「このサービスは貿易摩擦の影響に対し重要な役割を果たす」と指摘した(「21世紀経済報道」10月10日)。

(注)対外貿易総合サービス企業とは、企業が製品を海外に輸出する際の通関申告、物流、増値税の還付、保険などを一括して請け負うサービス企業のこと。主に、中小企業が対象。

(藤原智生)

(中国、米国)

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