サッカーW杯の経済効果は9,520億ルーブルに
(ロシア)
モスクワ発
2018年10月24日
インターファクス通信(10月16日)によると、サッカーFIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会の組織委員会が、6月15日~7月15日にロシアで開催されたサッカーW杯の2013~2018年における経済効果が9,520億ルーブル(約1兆6,000億円、1ルーブル=約1.7円)に上ると発表した。この額はロシアのGDPの約1%に相当する。
経済効果の内訳は、W杯開催中に訪れた観光客の支出や、インフラへの投資やW杯開催の準備に関係する支出で、これまで他国で開催されたW杯の経済効果の規模と同等という。開催前の4月に、組織委員会は同期間の経済効果を8,670億ルーブルと推計していた(2018年7月10日記事参照)。
このほかの同期間中の経済効果として、組織委員会は、国民所得が4,590億ルーブル増加し、年間31万5,000人の雇用を創出・確保、税収も1,640億ルーブル増加したと分析した。建設業や観光業を中心とした中小企業の売上高が7,970億ルーブルに上った。開催都市(注)のある地域での経済効果は、年間の各域内総生産(GRP)の2~6%に相当するが、カリーニングラード州では20%、モルドビヤ共和国(サランスク市が所在)では17%に上るという。
組織委員会は、W杯関連インフラ整備により、今後5年間もGDPを年間1,500億~2,100億ルーブル押し上げる効果が見込まれると分析している。主な理由は、開催都市での観光業の発展や、整備されたインフラ周辺地域の開発が進むこととしている。
(注)モスクワ、サンクトペテルブルク、ニジニ・ノブゴロド、エカテリンブルク、カザン、サランスク、サマラ、ボルゴグラード、ロストフ・ナ・ドヌ、ソチ、カリーニングラードの11都市。
(イワン・リソフスキー)
(ロシア)
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