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AMLO次期大統領、水圧破砕法による炭化水素資源開発を禁止

(メキシコ)

メキシコ発

2018年10月09日

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)次期大統領は10月5日、サンルイスポトシ州における集会で、次期政権中(2018年12月~2024年9月)は水圧破砕法(フラッキング)による炭化水素資源開発を禁止することを表明した。フラッキングはシェール資源開発に用いられており、大量の水と化学薬品を使うことから環境への悪影響が懸念されるため、AMLO氏は環境に配慮したかたちで資源開発を行うと以前から主張していた。

現エンリケ・ペニャ・ニエト政権下では、2013年末のエネルギー改革の実現により、炭化水素資源鉱区を民間開放する入札が行われおり、今までに合計9回入札が行われ、日本の国際石油開発帝石(INPEX)も鉱区を落札している(2018年2月22日記事参照)。政権交代の確定で、当初2018年9月末に予定されていたラウンド3フェーズ3は、2019年1~2月に延期された。同フェーズでは、シェール資源など非伝統陸上資源の開発入札が予定されている。今回のフラッキング禁止発言を受け、同フェーズにおけるシェール鉱区の開発に応札する企業が少なくなるとみられ、また入札自体が中止される可能性も出てきた。

AMLO氏の決定には賛否両論

今回のAMLO氏の発表を受け、シェール資源が眠る北東部のヌエボレオン州とコアウイラ州の環境保護団体は歓迎するコメントを発表している。これらの団体は、化学薬品による土壌汚染に加え、乾燥地帯が多く水資源に乏しいメキシコで、大量の水を使うことに懸念を表明していた。他方、経済界は、競争力のあるかたちで天然ガスを生産する手段を失うことになると反対している。日本経団連に相当する企業家調整評議会(CCE)のフアン・パブロ・カスタニョン会長は「環境に害を与えずに、フラッキングを行う技術は存在する」と語り、メキシコは国内消費の約8割の天然ガスを輸入しているが、そのうちの大半(国内消費の6割)が米国産シェールガスで、フラッキングを用いて生産されているとしている(「エル・エコノミスタ」紙10月8日)。

米国エネルギー情報局(EIA)のレポート(2013年)によると、メキシコのシェールオイル可採埋蔵量は130億バレルで世界8位、シェールガス埋蔵量は545兆平方フィートで世界6位だ。メキシコは過去10年間で原油と天然ガスの生産量が半減し(それぞれ55.5%減、53.5%減)、同期間に天然ガスの輸入量は2.1倍に拡大しているため、深海油田の開発に加え、シェール資源開発の必要性を主張する識者は多い。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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