欧州飲料協会、プラスチック廃棄物削減に向け自主目標発表

(EU、スイス、ノルウェー)

ブリュッセル発

2018年09月18日

欧州飲料協会(UNESDA、注)は9月13日、EUにスイス、ノルウェーを加えた地域全体として、2025年までに清涼飲料水のプラスチックボトル(キャップ、ラベルも含む)を100%再生利用可能なものとするとして、4つの目標を発表した。

EUは1月に公表した「欧州プラスチック戦略」(2018年1月19日記事参照)やそれに基づいた指令案(2018年6月5日記事参照)において、プラスチック包装のリサイクルを徹底し、2030年までに再資源化率100%達成を目指しており、今回の発表は、それを受けた清涼飲料水業界による自主的な取り組み目標と位置付けられる。

UNESDAは、清涼飲料水業界が包装の持続可能性を高め、軽量化や再生処理された素材の利用、リサイクル技術の発展などを含む、商品の生涯(原料調達から廃棄・リサイクル)のCO2排出量(カーボンフットプリント)の削減に貢献してきたとした上で、シグリッド・リネ事務局長は「最適な回収方法、リサイクルなどを通じ循環性を達成することは、飲料業界にとって最優先課題」であり、「街中や海に捨てられるプラスチック包装を減らすためには、業界が回収システムを設計・設定し、運営する必要がある」と、業界が取り組みを強化する意義を強調した。

UNESDAによる4つの目標は以下のとおり。

  • 2025年までに、清涼飲料水のプラスチックの1次包装(ボトル、キャップおよびラベル)を100%再生利用可能なものとする。
  • 2025年までに、ペットボトルの製造には再生利用された原料を25%以上用いることとする。
  • 包装資材の再利用に関わる他業界と協力し、EUの全市場において、プラスチック包装の回収をさらに増やし、最適化する。
  • 詰め替え可能なボトルも含め、プラスチックの1次包装を再利用し、環境、経済的に理にかなったものとする。

さらに、清涼飲料水業界は、再生処理された原料市場の成長を支援していくとして、これにより、今回の目標では最低でも25%としている再生処理された素材の使用割合をさらに高めることができるとしている。

(注)UNESDAは1958年に設立された欧州の清涼飲料水産業を代表する団体。欧州23カ国の全国規模の産業団体に加え、ザ コカ・コーラ カンパニーやネスレ・ウォーターズなど企業9社が会員となっている。

(滝澤祥子)

(EU、スイス、ノルウェー)

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