アルゼンチン、中国向け大豆油の輸出が再開

(アルゼンチン、中国)

ブエノスアイレス発

2018年09月04日

アルゼンチン大統領府は8月29日、アルゼンチンから中国に向けて大豆油の輸出が再開されたと発表した。サンタフェ州ティンブエス港からの2万9,000トンの大豆油の出荷で、取引先は中国儲備糧管理総公司(シノグレイン)とされている。同州から今後、2便程度の出荷も確定している。今回は合計9万トンの輸出再開を実現させたが、さらなる荷積みの追加の可能性も浮上しているという。

アルゼンチンからの大豆油の対中輸出の再開については、アルゼンチン農産業省が実施した2017年5月の中国ミッション派遣時に、シノグレインから発表されていた。また、2018年6月に在中国アルゼンチン大使館から、最低12万トンの取引の成立を伝えるコミュニケも発表されていた。

サンタフェ州での出荷を受けて、マウリシオ・マクリ大統領はソーシャルネットワークを通じて「中国との貿易関係の強化につながるだけではなく、今までの努力が報われていく」と高く評価し、ルイス・ミゲル・エチェベレ農産業相もコミュニケを通じて、「成長中の市場を再開拓しており、さらなる付加価値のある輸出の増加につながるだろう」と期待を示した。

2012年には大豆油の輸出総額の19.8%(8億5,115万ドル)を中国向けとしていたが、2016年以降は急減していた(表参照)。マクリ政権は農水産・食品の輸出強化に注力しており、対中市場に向けては大豆油のみならず、牛肉の輸出全面解禁も実現させている(2018年5月24日記事参照)。8月15日の政令757/2018号では、6カ月間の輸出税率引き下げ停止が発表され、業界関係者を落胆させていたが、今後の対中輸出の拡大には期待を示している。

表 アルゼンチン産大豆油(HS1507)の輸出先国上位10位

(クラウディオ・ボチャタイ)

(アルゼンチン、中国)

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