移民法改正、在籍出向ビザの申請条件が厳格に
(フランス)
パリ発
2018年09月18日
外国人の就労および滞在に関する条項などが改正された移民法が9月11日に公布された。今回の改正により、駐在員が在籍出向としてフランスに滞在するための条件が変更された。
同一企業グループ内に在籍出向する場合のビザ・滞在許可証である「サラリエ・デタッシェICT」を申請する条件の1つとして、従来は最低3カ月派遣元の企業で就労している必要があったが(2017年3月3日記事参照)、その必要最低就労期間が6カ月に延長された。また、サラリエ・デタッシェICTは最長3年で更新できなくなるが、出向終了後に新たに申請する場合、EU域外に最低6カ月間滞在することが必要となり、出向終了直後に再申請することはできなくなった。
2016年に導入された、更新可能な駐在員向け滞在許可証「才能パスポート」では、駐在員と出向先の在フランス企業との間に労働契約を締結することが必要で、そのため、社員にサラリエ・デタッシェICTを取得させ、駐在先企業との労働契約を必要としない在籍出向としてフランスに駐在させる企業の事例がみられるが、今後は注意が必要となる。
ちなみに、ICT(企業内転勤:Intra-corporate transfer)は、EU指令によりEU加盟国に国内法制化が義務付けられている労働・滞在許可の枠組み。ICT指令の概要はジェトロの調査レポート(1.1MB)を参照。
(奥山直子)
(フランス)
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