駐在員は「才能パスポート」で労働許可証が不要に-新たなビザ・滞在許可証制度が運用-

(フランス)

パリ発

2017年03月03日

 「フランスにおける外国人の権利に関する法律」の施行令が2016年11月に発効し、ビザ・滞在許可証の取得に関する手続きが変更された。駐在員は「才能パスポート」を取得すれば、労働許可証の事前取得が不要となった。

<最長4年間有効で更新可能な「才能パスポート」>

 2016年3月8日に公布された「フランスにおける外国人の権利に関する法律」(2016年3月23日記事参照)の施行令が11月1日に発効し、ビザ・滞在許可証の取得手続きが新たな制度で運用された。同法には行政手続きを簡素化するとともに、優秀な外国人の滞在を容易にすることでフランスの国際競争力を向上させる狙いがある。

 

 そのための措置として、投資家や駐在員向けの従来の滞在許可証を、最長4年間有効で更新可能な「才能パスポート」としてまとめ、労働許可証の取得を不要とした。これまで駐在員をフランスへ派遣する場合、ビザ申請の前に労働許可証の申請を行う必要があったが、今後はビザ申請を在日フランス大使館で行うだけで済む。また、帯同家族の成人の就労が可能となった。主な投資家・駐在員向けのビザ・滞在許可証の内容と条件は表のとおり。

表 主な駐在員向けビザ・滞在許可証

 派遣先のフランス企業(日本企業の現地法人を含む)との間に労働契約がなく、在籍出向・駐在する場合は、「才能パスポート」ではなく「サラリエ・デタッシェICT」のビザ・滞在許可証を申請する。「サラリエ・デタッシェICT」は、グループ企業内の派遣者に関するEU指令(2014/66/EU)の国内法化により新設されたビザ・滞在許可証で、他のEU加盟国(英国、アイルランド、デンマークを除く)における同一グループ企業での労働を90日まで可能にしている。ただし有効期間は最長3年間で、更新は不可能だ。

 

<3ヵ月以内の労働許可証申請は免除も>

 また、行政手続き簡素化の一環として、3ヵ月以内の就労に係る労働許可証の申請免除の対象となる活動内容を規定している。対象となるのは、(1)スポーツ、文化、芸術、科学のイベント、(2)会議、セミナー、見本市、(3)映画、視聴覚、興行、音楽出版の製作・普及のためのアーティストまたは技術スタッフ、(4)モデル、(5)特定の雇用主のフランス滞在中の個人向けサービス(家庭内労働者)、(6)契約に基づく在籍出向員によるIT、経営、金融、保険、建築、エンジニアリングに関する監査・査定、(7)客員教授の授業、となっている。

 

 3ヵ月以内の就労のための労働許可証の申請件数は毎年4万件以上あり、大多数はアーティストまたは企業の短期出向のための申請となっている。申請却下は3%以下にすぎないことから、労働許可証の申請は不要となった。

 

(奥山直子)

(フランス)

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