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移民助言委員会がブレグジット後の移民制度を提言

(英国)

ロンドン発

2018年09月20日

移民助言委員会(MAC)は9月18日、英国のEU離脱(ブレグジット)後の欧州経済領域(EEA)(注)域内からの移民(以下、EEA移民)の扱いに関するレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した。EEA移民の労働市場への影響分析や政府への提言を行うもので、ブレグジット後に、EEA移民を特別な扱いにしないこと、熟練労働者の受け入れ拡大に向けビザ発給数の上限廃止などが盛り込まれた。

レポートによると、EEA移民による英国市民の雇用や失業、賃金など労働市場への影響はない、あるいは小さいという。また、EEA移民は(社会保障などを)享受するよりも多くの税金を納め、医療サービスでは利用するよりも労働力などでの貢献が大きく、犯罪率の上昇とは関連がないなど、EEA移民が英国社会に与えるプラスの影響を、分析結果として主に紹介している。

今後については、移民による英国への影響は、国籍ではなく、移民が持つ技術や年齢、社会サービスの利用度合いなどによるため、EEA移民とEU域外からの移民に対する制度は同等とすべき、とした。また、収入が高く、公的財政やイノベーション、生産性に対する貢献が高い傾向がある熟練労働者を優先する制度を提言している。具体的には、現在の滞在許可制度のうち、技能が必要な職で英国定住者の中から適切な人材が見つからない場合などの第2階層(Tier 2)(ジェトロの国・地域別情報ページ参照)について、年間2万700人の受け入れ上限の撤廃、中度熟練労働者のTier2申請の増加に向けた対象職種の拡大などを提案した。併せて、手続き上の負担軽減の改善に取り組むべきとした。なお、Tier2の条件の1つである年間最低賃金3万ポンド(約441万円、1ポンド=約147円)や企業内転勤(ICT)ビザについては、変更を提言していない。非熟練労働者については、季節農業労働者制度を除いて、明確な移民の受け入れ制度の策定を推奨していない。

英国産業連盟(CBI)のマシュー・フェル政策担当部長は、現在の非EEA移民に対する移民システムは非常に官僚的で、それをEEA移民に適用すべきではなく、Tier2の上限撤廃だけでは不十分、と批判した。また、最低賃金3万ポンドを維持することが英国への移民を制限している、ともコメントしている。

(注)EU加盟28カ国およびノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン。

(鵜澤聡)

(英国)

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