NSW州政府、日本企業向けにインフラ事業参画プログラムを実施

(オーストラリア)

シドニー発

2018年08月10日

オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州政府は、西シドニー空港都市(エアロトロポリス)およびウェストミード医療区域に関わるプロジェクトへの日本企業の参画を期待し、7月23~24日に日本企業を対象としたプログラムを実施した(2018年6月6日記事参照)。日本やシンガポールから約80人が参加し、プロジェクトの説明を受けたり、医療施設を訪問するなどした。

同プログラムには、在シドニー日本総領事館、ジェトロ、日豪経済委員会、豪日経済委員会が協力しており、オーストラリア側からはグラディス・ベレジクリアンNSW州首相、ルーシー・ターンブル・シドニー首都圏コミッション理事長、ステファニー・フェイ・オーストラリア貿易投資促進庁長官、ティム・リードンNSW州首相内閣府事務次官などの州政府高官らも参加した。

NSW州政府による説明では、2026年に開業予定の西シドニー空港を中心に、シドニー都市圏で第3の都市である「西部パークランドシティー」の発展が見込まれる。今後、シドニー中心部を含む「東部ハーバーシティー」、パラマタ市を含む「中央リバーシティー」との3都市間でのコネクテビティーも含め、重要な位置づけとなる見通し。

州政府によると、西部パークランドシティー地域の就業人口31万のうち、29%が中央リバーシティー地域に、22%が東部ハーバーシティー地域に通勤している。空港の開業と周辺地域の開発により、西部パークランドシティーの雇用が増えると同時に、スマートシティ(注)としての発展も期待されている。州政府は、州の住民が住居から30分以内に最も近い都市に行き、就業や各種用務を行えるようになることを目指す。

NSW州政府によると、3都市を結ぶ交通インフラや、各都市の街づくり(商業施設、住宅、医療機関、教育機関、宿泊施設など)などでビジネスチャンスがある。また、新設空港では、最新のデジタル技術、自動化技術を用いてオペレーションするため、これらのハイテク分野でのビジネスチャンスもありそうだ。NSW州政府は、日本企業が早い段階で関連プロジェクトに参画検討することを期待している。

(注)先端技術やデジタル技術を使い、都市全体のエネルギー利用の効率化を図ることで、省資源化を徹底した環境配慮型都市。

(中里浩之)

(オーストラリア)

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