東部経済回廊(EEC)の恩典対象業種・地域が明確に

(タイ)

バンコク発

2018年08月29日

ジェトロが8月10日、タイ工業省、バンコク日本人商工会議所(JCC)と開催した「東部経済回廊(EEC)ワークショップ」(2018年8月20日記事参照)において、EECにおける投資恩典の対象となる業種と地域について新たな点が明らかになった。

EEC恩典はターゲット産業かつ投資奨励ゾーンが対象

タイ投資委員会(BOI)のドゥアンジャイ長官は「企業がEEC進出による追加恩典(法人税の減免期間の延長など)をBOIから得るのは、申請事業がBOI指定の10のターゲット産業(117業種)に属し、かつ、EEC域内の『投資奨励ゾーン』に進出する場合」と説明する(注)。EEC域内における投資奨励ゾーンとは、(1)EECa(航空都市)、EECi(イノベーション地区)、EECd(デジタルパーク・タイランド)を含む特定産業のための地区、(2)タイ工業団地公社(IEAT)が運営する21カ所の工業団地、(3)その他の工業団地・工業地区だ。

投資奨励業種と地域の拡大も検討

同長官によると、防衛産業や高度物流など新たな業種をターゲット産業へ追加することも検討されている。また、カニットEEC事務局長は「今年5月にEEC法が施行されたが、現在28の施行細則を策定中」とした。これらの施行細則は10月をめどに発表される予定で、これによりEECにおけるより具体的な恩典が明らかになるとみられる。同氏はさらに、「EEC域内における投資奨励ゾーンの拡大は検討しているが、環境対策が重要となるため、そうした体制が整っている工業団地以外の一般地区を投資奨励ゾーンに指定するのは困難と思われる」と説明した。EECにおける投資恩典については、今後のタイ政府による詳細な発表が注目される。

(注)10のターゲット産業とは、バイオ化学、デジタル、医療ハブ、自動化・ロボット、航空、エレクトロニクス、観光、次世代自動車、食品、農業。

(田口裕介)

(タイ)

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