トランプ政権、クリーンパワープランに代わる新規則案を発表

(米国)

米州課

2018年08月27日

米国連邦環境保護庁(EPA)は8月21日、既設の石炭火力発電所からの温室効果ガス(GHG)排出削減に関する新規則を提案した。「アフォーダブル・クリーン・エナジー(ACE)ルール」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと呼ばれるこの提案は、オバマ前政権が策定したクリーンパワープラン(CPP)に代わるもの。EPAは2017年10月、「CPPはEPAの法的権限を逸脱し、州に電源構成の変更を強制したもの」として、その廃止に向け新規則策定に乗り出していた(2017年11月2日記事参照)。

EPAが発表した新規則案では、連邦政府が二酸化炭素(CO2)排出に関する指針を示すものの、各州は石炭火力発電所の経過年数や設備更新の費用を踏まえて、指針よりも緩い基準を設けることを可能としている。これまでの連邦政府によるトップダウンではなく、各州政府の裁量に委ねている点が大きな特徴だ。EPAは、ACEルールが実行に移された場合、米国の電力部門のCO2排出量は、2030年には2005年の水準より33~34%少なくなり、CPPのCO2排出削減量を上回る可能性があることを示唆している。 

EPAのアンドリュー・ウィーラー長官代行は「ACEルールは、法律の原則を回復し、温室効果ガスの排出を削減し、全ての米国人に現代的で信頼性が高く、手頃な価格のエネルギーを提供するだろう」と述べている。

EPAは、ACEルール案を連邦官報に掲載してから60日間、パプリックコメントを受け付けるとともに、公聴会を開催する。

(木村誠)

(米国)

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