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アフリカ諸国は対米の2国間よりも多国間の枠組みを希望

(米国、アフリカ)

米州課

2018年07月17日

米国務省は7月11~12日の2日間、第17回米国サブサハラアフリカ貿易経済協力フォーラム(通称:AGOAフォーラム)を開催した。今回のフォーラムでは、「米国とアフリカ諸国の間の貿易投資における新戦略の策定」をテーマに議論が行われた。

米国務省がAGOAフォーラム開催

主題の「貿易投資における新戦略」について、米国通商代表部(USTR)のライトハイザー通商代表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは冒頭、「トランプ政権が望むサブサハラアフリカ諸国との間のモデルとなる自由貿易協定(FTA)を交渉するために、新たな戦略を各国と議論することに(今回のフォーラムの)時間を費やしたい」と述べた。

同氏は、(1)アフリカの成長が大きな機会を提供していることを認識する米国企業が増えていること、(2)アフリカの経済成長の持続や、アフリカが世界市場へ到達するためにはインフラストラクチャーやその他の経済開発プロジェクトの必要性が増していること、(3)多くのアフリカ諸国が既にEUや中国との間でFTA(注)に署名していること、(4)より安定した、永続的な、互恵的な貿易投資の枠組みによって、民間投資を呼び込み、アフリカを変革することができる、と説明し、米国とFTAを結ぶことの意義を説いた。その上で、当面の米国側の目的として、(a)FTAを望む相手国との間で2国間協定を追求する、(b)同協定が将来サブサハラアフリカにおいて、同様にFTAを望む国々との間のFTAのモデルとして利用されること、(c)モデルとなる協定がアフリカの地域と大陸の経済統合を強化すること、の3点を挙げた。

USTRが6月29日に発表した『2018年版アフリカ成長機会法(AGOA)実施に関する隔年報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます』(2018年7月4日記事参照)と同様に、ライトハイザー氏は、アフリカ諸国への特恵関税の譲許を中心とした現在のAGOAの枠組みを尊重しつつも、今後の米国とアフリカの間の関係をより互恵的な内容に近づけたい意向をはっきり伝えたかたちとなった。

アフリカ諸国からは慎重な声

これに対して、アフリカ側の参加者からは、アフリカ連合(AU)が進めるアフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)の戦略的な重要性とともに、AGOAがその実現を支える必要性が説かれるなど、米国側の提案に対しては慎重な見方が示された。AGOAフォーラムに先立つ、6月25日から7月2日にかけてモーリタニアで開催されたAU首脳会議および関連会合では、関係国間の中で、AfCFTAを推進するために、個別の2国間貿易協定を控えることが合意されたばかりだ(2018年7月13日記事参照)。

南アフリカ共和国の参加団を率いたデービス貿易産業相も7月13日にワシントン市内の大手シンクタンクで行われたセミナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、市場拡大の効果と、(生産工程を)累積計上できることを理由に、米国政府が望む2国間FTAより複数国が参加するFTAの方が地域経済統合に資するとの見方を示した。同氏は「米国によるFTAの呼び掛けはもともと予定にはなかったもので、今後どのような展開になるかは分からない」と発言し、今回の米国政府の提案が突然伝えられたものだったことをうかがわせた。

米国メディアの報道などでは、米国の2国間FTAの候補国として、ケニア、ガーナ、コートジボワール3カ国の名前が挙がっている。

(注)EUとの経済パートナーシップ協定(EPA)、中国との間の2国間貿易協定を指すとみられる。

(秋山士郎)

(米国、アフリカ)

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