米国・EUなどからの食品禁輸を2019年末まで延長

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年07月13日

プーチン大統領は7月12日、米国・EUなどからの輸入禁止措置を2019年末まで延長する法令に署名した。7月にEUが対ロ制裁を2019年1月まで延長したことを受けたものとみられる。

署名されたのは、大統領令第420号(2018年7月12日付)「ロシア連邦の安全保障を目的とする個別の特別経済措置活動の延長について」で、禁輸措置の期限を2019年1月1日から12月31日まで1年間延長する。同措置はクリミア問題に伴う欧米などによる経済制裁の対抗措置として2014年8月6日に制定、翌7日にロシア政府は米国、EU、ノルウェー、オーストラリア、カナダ産の食肉・水産および同加工品、乳製品、野菜、果実、ナッツなどの輸入を禁止した(注)。同措置は2015~2017年に3回延長され、今回は4回目となる。

欧州委員会によると、この禁輸措置でEUのロシア向け農産品輸出は2013年の118億ユーロから2016年には56億ユーロまで減少。在サンクトペテルブルクのロシア・フィンランド商工会議所の担当者はジェトロのインタビュー(2018年4月)に対し、加工食品が主力だったフィンランドの対ロ輸出は、禁輸以降は機械設備にシフトしたと述べている。

このほか2018年6月4日には、「米国その他外国政府による非友好的措置」に対しモノのほかサービスを含む広範な分野で対抗措置を取る権限をプーチン大統領に与える連邦法が成立している(2018年6月7日記事参照)。

(注)2015年にはアルバニア、モンテネグロ、アイスランド、リヒテンシュタイン、ウクライナが追加された。禁輸対象品目もロシア国内での輸入代替の進捗により、複数回見直しが行われている。

(高橋淳)

(ロシア)

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