イランとの原油取引は制裁対象と強調

(米国、イラン)

ニューヨーク発

2018年07月13日

マイク・ポンぺオ国務長官は7月10日、アラブ首長国連邦(UAE)で地元テレビ局スカイ・ニュース・アラビアのインタビューに応え、イラン制裁の再開に関して、「他国がイランと原油取引を行えば米国の制裁対象になる。米国政府はその制裁を執行する」と述べ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますた。制裁条件緩和に対する他国の要望に対しては「考慮(Consider)」すると発言したものの、イランがより「普通の国」になるまで同国の指導者に恩恵を与えるべきではないとの考えを示した。

トランプ政権は、イランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」からの離脱に伴い、核開発を理由とする対イラン経済制裁を8月6日、11月4日の2段階に分けて再開すること明らかにしている(2018年5月9日記事参照)。

ブライアン・フック国務省政策企画本部長も7月2日の定例ブリーフィングで、「イランの原油収入を最終的にゼロにし、イラン政権への圧力を高めること」が制裁の目的だとあらためて強調し、多くの国が速やかにイランからの原油輸入をゼロにすることに期待していると述べた。イランからの輸入削減に取り組んでいる国についてはケース・バイ・ケースで協議を行う準備があるとしつつも、「他の制裁同様に、制裁免除やライセンスの発行は考えていない」とも述べている。

フック政策企画本部長はまた、世界各国と連携すべく、国務省と財務省の外交チームがこれまでにEU、東アジア13カ国を訪問し、イラン制裁への協力を呼び掛けていることを明らかにした。JCPOAの共同署名国でもあるロシアや中国などとも、イランの中東における不穏な活動やテロリズムに対する危険性を共有しており、イラン正常化のため協力できると信じていると述べた。また、エネルギー業界と金融業界をはじめとする50社以上の国際企業が既にイラン市場からの撤退を表明しているとした。

(須貝智也)

(米国、イラン)

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