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イラン核合意からの離脱を表明、「二次的制裁」が再開

(米国、イラン)

ニューヨーク発

2018年05月09日

トランプ大統領は5月8日、イランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」から離脱し、この計画に基づき解除していたイランに対する経済制裁の再開を指示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。JCPOAは、国連安全保障理事国にドイツを加えた6カ国とイランとの間で2015年7月に合意された。イランの核開発の停止と引き換えに、米国などがイランに課している、核開発を理由とした経済制裁を解除する内容になっている(注1)。

90日と180日の適用猶予期間を設定

JCPOAに基づく制裁解除は、米国がイランと取引を行う外国人や外国企業に対して金融制裁などを科す「二次的制裁」(Secondary Sanction)の解除が中心になっている。今回の制裁措置の再開により、JCPOAに基づき認められていた外国人や外国企業による米国人や米国企業を介さないイランとの取引(注2)は再び制裁対象になる。

米国政府は、JCPOAによる経済制裁の緩和を受けてイランビジネスを行っている企業が事業を清算するための期間として、適用猶予期間を置くとしている。

米財務省外国資産管理局(OFAC)の発表資料(5月8日付)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によれば、以下に関する制裁については8月6日までの90日間の適用猶予期間が設定された。(1)イラン政府の米紙幣の入手、(2)イランの金・貴金属貿易、(3)グラファイト(黒鉛)、アルミ・鉄鋼などの金属原料または半製品、石炭、産業用プロセス統合用ソフトウエアのイランとの取引、(4)イラン通貨リアルの売買に関係する取引、イラン国外でのリアル建ての資金または口座の維持、(5)イランの公的債務の購入・発行引き受け、(6)イランの自動車産業に関する取引。

また、以下に関する制裁については、11月4日までの180日間の適用猶予期間が置かれている。(1)イランの海運および造船部門ならびに港湾運営者、(2)イランとの石油精製品および石油化学製品の取引、(3)外国金融機関によるイラン中央銀行およびその他の特定イラン金融機関との取引、(4)中央銀行その他のイランの金融機関に対する専門的な金融メッセージング・サービスの提供、(5)保険契約の引き受け・付保・再保険、(6)イランのエネルギー産業に関する取引。

OFACはそのほか、特別指定国民(SDN)リストなどから2016年1月16日に除外した法人などは、11月5日までに再度制裁対象にすると発表している。

なお、JCPOAで米国企業に認められた措置も撤廃対象になる。米国政府は、イラン原産のカーペットと食品の米国輸入や、イラン向け商業用旅客機輸出に係る審査緩和措置PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)などを8月6日に撤廃するとしている。

支払いの受け取りは許可

OFACは、5月8日までに締結された契約や合意内容に基づき、上記猶予期間までにイラン企業に提供した製品やサービスに関する支払いや、これら企業向けのローンやクレジットの返済については、猶予期間後であっても受け取ることを許可した。

(注1)米国はイランに対して、核開発による制裁だけではなく、テロ支援、人権侵害、弾道ミサイル開発などに対する制裁を発動している。これらの制裁措置はJCPOAにおいても解除されておらず、現在でも有効。

(注2)JCPOAにおいても、SDNリスト対象者との取引や核関連以外の制裁に基づく取引は禁止されていた。

(鈴木敦)

(米国、イラン)

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