国内線の航空券の料金自由化を発表

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年07月11日

アルゼンチン運輸省は7月2日、出発日から30日以内の国内往復便の航空券に関して、料金を自由化すると発表した。今後、所定の手続きを踏まえて8月15日から自由化される見通しだ。

アルゼンチンにおける旅客航空機の国内便については、2015年12月までは料金の範囲が定められていたが、マウリシオ・マクリ政権発足直後の2016年1月に料金の上限額が撤廃されていた。今回の発表を受けて、8月15日からは下限額が撤廃されることになる。

ギジェルモ・ディエトリッチ運輸相は「政府が今回の決定を通じて、海外からの観光客の流入と国内消費が喚起されることを期待している」と述べた。また、航空料金の引き下げによる消費者のメリット、航空機を利用する観光客の客層拡大、国内の観光産業の活性化などにもつながるとみられている(2018年4月23日記事参照)。

マクリ大統領は「航空革命」と称して、国内航空ネットワークの拡充やインフラ整備に注力している。過去30カ月の間に国内では格安航空会社(LCC)を含めた59の新規路線が開設され、そのうち首都ブエノスアイレスに発着しない路線が半分以上の33路線に上るなど、国内の航空ネットワークがきめ細かく展開されつつある。また、30の国内空港の近代化プロジェクトが実施されており、マクリ政権期(2016~2019年)に14億ドルの投資が見込まれている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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