LCC新規参入が寄与、第1四半期の空港利用者は12%増

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年04月23日

アルゼンチン航空保安公社(EANA)は、3月の空港利用旅客数が前年同月比13%増の260万7,000人を記録したことを発表した。2018年第1四半期では前年同期比12%増の784万9,000人となった。内訳では、国内線旅客数が前年同期比11%増の352万5,000人、国際線旅客数が13%増の432万4,000人となっている。旅客数が増えている背景には、国内外向けの新規就航便が増えていること、そして格安航空会社(LCC)の新規参入によって価格競争が行われてきたことが挙げられる。

価格競争での市場活性化と地方都市の観光客増加に期待

政府は外国人観光客を2015年の573万人から2019年には900万人まで増やすという目標を掲げている(2017年2月28日記事参照)。その一環として、国内外のLCCの新規参入を促進し、今後2年間で国内19空港に対して222億ペソ(約1,177億円、1ペソ=約5.3円)の空港近代化に向けた工事計画が予定されている。首都ブエノスアイレス以外にも観光資源に恵まれているアルゼンチンにとっては、地方都市の空港インフラの強化は観光客増加に向けたカギになる。

アルゼンチン国内におけるLCCのシェアは5%に満たず、これまでチリ資本のスカイ航空の展開にとどまってきたが、2018年1月、地元のフライボンディ(Flybondi)航空が新たに就航し、着実に国内ネットワークの拡大を進め始めた。また、LCCの国際線ではノルウェー・エアシャトル航空がロンドン~ブエノスアイレス便を2018年2月に開設した。首都ブエノスアイレスではLCC向けとして新たにエル・パロマール(El Palomar)空港のオペレーションが開始されるなど、環境整備が進められている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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