ベラルーシ、観光目的のビザなし滞在期間を30日に延長

(ベラルーシ)

欧州ロシアCIS課

2018年07月30日

ルカシェンコ大統領は7月24日、欧州39カ国に日本、米国などを含めた74カ国・地域の国民を対象に、観光目的でミンスク空港から入国した場合に限り、ビザなし滞在期間を現在の5日から30日に延長する法令に署名した。なお、業務に関しては、2017年2月12日から同じ80の国・地域を対象に最大5日間のビザなし渡航を認めている(2017年2月15日記事参照)。

大統領公式ウェブサイトによると、今回の措置は観光振興が目的で、公布即施行となる。ビザなし滞在の条件として、入国に際して(1)有効期限のある旅券、(2)滞在1日当たり最低49ベラルーシ・ルーブル(注1)(約2,740円、1ベラルーシ・ルーブル=約56円)もしくは同額以上の外貨、滞在期間が30日(注2)の場合は最低1,225ベラルーシ・ルーブルもしくはそれに相当する外貨、(3)ベラルーシ国内で有効な1万ユーロ相当の医療保険(海外旅行保険)が必要となっている。

同法令は、就業や商業活動、留学を目的とした渡航には適用されない。ベラルーシに滞在する外国人は5労働日以内に滞在登録を内務当局に行う必要があり、登録はホテル、保養所などの滞在施設が行う。ロシアからの入国・ロシアへの出国は、ロシア・ベラルーシ間の航空便が国内線扱いで入国審査が行われないため、法令の対象外となる。モスクワなど経由でベラルーシに入国する場合は注意が必要だ。

スポーツ観光省のアンドレイ・モルチャン観光局長によると、最近の外国人へのビザなし滞在期間の緩和により観光客数は約20%増加したという。同局長は、今回のビザなし滞在期間の延長により、観光施設の修繕や外国語能力のある人材、ホテル、保養所、ゲストハウスなど宿泊施設での国際的な決済システムの導入が必要になるだろう、と述べている(国営通信ベルタ7月25日)。

(注1)法令では「2基本単位」とされている。現時点の1基本単位は24.5ベラルーシ・ルーブル(2018年1月1日改定)。

(注2)到着日と出発日を含む。

(加峯あゆみ)

(ベラルーシ)

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