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米英首脳会談は「野心的なFTA」追求で一致、米がEUを非難

(英国、米国)

ロンドン発

2018年07月17日

米国のドナルド・トランプ大統領は7月12日、大統領就任(2017年1月)後初めて英国を訪問した。翌13日には、ロンドン郊外の首相公式別邸(チェッカーズ)でテレーザ・メイ首相と会談した。

2国間経済関係について、メイ首相は会談後の共同記者会見で、「英国のEU離脱(ブレグジット)に当たり、米英両国は野心的な自由貿易協定(FTA)の締結を目指すことに合意した」と発表した。同首相は英国とEUの将来関係に関する7月6日の内閣合意(2018年7月10日記事参照)について、「両国経済の利益になる野心的な協定の合意に必要な基盤」と明言。さらに会見後の質疑でも、「EU離脱後は世界のあらゆる国と制約なく通商交渉を行える」と述べるなど、EU離脱交渉の方針の正当性を強調した。英政府は内閣合意と、その後の12日に公表したEU離脱に関する白書(2018年7月13日記事参照)の中で、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加検討などを打ち出している。

他方、トランプ大統領は「公正で互恵的な米国との貿易関係を追求するというメイ首相に感謝する」と述べ、貿易摩擦が強まるEUを暗に批判した。質疑では、「EUは公正な貿易取引を実現しておらず、米国にひどい仕打ちをしている」と名指しで非難した。英国に対しては「素晴らしい2国間貿易協定を締結することを心待ちにしている」「完全に自立した政府を実現するという英国民の決定をわれわれは支持し、非常に難しい交渉の行く末を見守る」と述べ、英国のEU離脱への支持を表明した。

ただし、トランプ大統領はこの前日に英大衆紙「ザ・サン」の取材で、英国がEUと極めて緊密な貿易関係を目指すなら「米国は英国と貿易協定を結ぶことはないだろう。EUとの間には既に十分問題を抱えている」「残念だが米国との貿易に悪影響を及ぼすことは間違いない」などとコメントし、英政府が先の内閣合意で穏健な離脱方針を打ち出したことを批判していた。会見後の質疑でこれを問われた同大統領は、同紙の報道を「フェイクニュース」ととぼけてみせたが、同紙は同大統領の肉声も報じており、会見で示した首脳会談での合意に水を差したのは明らかだ。

英国にとって、米国は貿易・投資双方で最も重要な国の1つで、EU離脱後は一層緊密な通商関係を望んでいる(表1、表2参照)。しかし、米国は自国第一主義を貫きながら、英国との交渉はEU関係なども踏まえて是々非々で臨むことになりそうだ。

表1 英国の貿易相手国上位10カ国(2017年)
表2 英国の対内・対外直接投資残高上位10(2016年)

(宮崎拓)

(英国、米国)

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