6月の年間インフレ率が4万6,305%を記録

(ベネズエラ)

米州課

2018年07月13日

ベネズエラ国民議会(注)のアルフォンソ・マルキラ第2副議長は7月9日、2018年6月のインフレ率(過去12カ月累積)が4万6,305%となったと発表した。6月の月間インフレは128.4%で、2018年上半期の累積値は4,684.3%となり、1日当たりの平均物価上昇率は2.8%だった。

中央銀行は2018年3月22日、通貨単位を1,000分の1に切り下げると発表し、6月4日に新通貨「ボリバル・ソベラノ」を導入する予定だったが(2018年4月23日記事参照)、現在流通しているボリバル・フエルテの紙幣不足から実施は延期されている。

インフレ率の高騰に歯止めがかからない状況から、5月20日に実施された大統領選挙でマドゥロ現大統領の対抗馬として立候補したヘンリ・ファルコン氏は公約にベネズエラ経済のドル化を掲げていた。加えて7月10日、国民議会では紙幣不足などによって国民生活に支障が出ている状態を解決するために、ベネズエラ国民の給与をドル化するという、ファルコン氏と同様の法案が提出された。

同議会においてマリア・ベアトリス・マルティネス議員は「2018年1月の平均給与額は80万ボリバルで、卵1ダースは32万ボリバルと給与額の40%だった。しかし7月時点では1ダース64万ボリバルとなり、平均給与の80%を占めるほどになってしまった」と述べた。

(注)現在のベネズエラには、野党勢力が過半数を占める国民議会(Asamblea Nacinal)とニコラス・マドゥロ大統領が2017年8月4日に設立し、親マドゥロ派議員が545全議席を占める制憲議会(Asamblea Nacional Constituyente)の2つの議会が併存している。

(志賀大祐)

(ベネズエラ)

ビジネス短信 712708725a10df83