大統領が1,000分の1のデノミを発表

(ベネズエラ)

ボゴタ発

2018年04月23日

ニコラス・マドゥロ大統領は3月22日、経済混乱を収束する緊急的手段として、通貨単位を1,000分の1に切り下げると発表した(大統領府法令3.332号/官報41.366号掲載)。新通貨の名称は「ボリバル・ソベラノ」で、2018年6月4日に導入する予定。

現在流通しているボリバル・フエルテ(Bs.F)は、6月4日以降価値を失う。2008年に通貨切り下げが実施された際は、旧通貨と新通貨の両方を使用できる期間が設けられたが、今回は前回のような移行期間は設けられないもようだ。なお、2016年2月に切り下げを発表した際には、発表から約半年間実行されなかった。今回の発表についても、実施状況を注視していく必要がありそうだ。

新通貨は、2、5、10、20、50、100、200、500の8種類のボリバル紙幣と、50セント、1ボリバルの2種類の硬貨が発行される。5月1日から中央銀行が必要と判断するまでの期間、全ての商品やサービスの価格表示には、新通貨単位の「ボリバル・ソベラノ」または「Bs.S」を記載することが求められる予定だ。

2018年のインフレ率は13,000%に達する見通し

野党の国民議会が2016年末から独自に試算する累計消費者物価指数(INPCAN)によると、2018年1月(月間)の同指数上昇率は84.2%で、INPCANを採用してからの累積値は4,944%となった。2017年12月時点での同累積値は2,684%だったことをみても2018年に入りインフレが加速しているのが分かる。IMFは、2018年のインフレ率は13,000%に達すると厳しい見通しを発表している。政府の財政難やハイパーインフレの状況をみると、早急に高額紙幣を導入する意志がない限り、今回の措置が貨幣不足の問題を根本的に解決する見込みは低い。

一方、ガソリン料金や地下鉄料金など、比較的単価の小さい商品やサービスに関しては、通貨切り下げによって、実質値上げの措置が取られるとみられる。同様に、カラカスの地下鉄料金は現在4ボリバル・フエルテ(約0.0072円、1ボリバル・フエルテ=約0.0018円)だが、通貨切り下げによって0.004ボリバル・ソベラノとなることから、新通貨の額面に合わせた調整が行われる見込みだ。市民生活に直結するモノやサービスの実質値上げが与える影響は大きいとみられ、混乱が予想される。

(茗荷谷奏)

(ベネズエラ)

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