牛肉市場の相互開放を正式発表

(アルゼンチン、日本)

ブエノスアイレス発

2018年07月02日

日本とアルゼンチン政府は6月28日、アルゼンチン・パタゴニア産牛肉・羊肉などと日本産牛肉が相互に輸出可能になったことをそれぞれ発表した。5月15日に東京で開かれた両国農業相会談では、7月27~28日に開催されるG20農業相会合を目指して輸出可能となることに合意しており(2018年5月16日記事参照)、会談から約40日後という迅速な対応となった。

一次産品などの輸出先を多角化し、新規市場の開拓を目指すアルゼンチンにとって日本市場への参入は長年の懸案となっており、今回の決定に関して農産業省ウェブサイトでは「歴史的」と評している。国家農畜産品衛生管理機構(SENASA)は日本の農林水産省に対して、家畜衛生条件を満たす「指定施設」として牛肉1施設と羊肉4施設を選定したと通知した(表参照)。

表 アルゼンチン政府の指定施設

日本産牛肉については、2015年7月に日本政府が輸入解禁と要請していた。農林水産省の6月29日付プレスリリースによれば、同日から「厚生労働省に対し申請を行い、認定を受けた食肉取扱施設」からアルゼンチン向けの生鮮牛肉の輸出が可能となった。

ジェトロは7月26日、ブエノスアイレスにおいて日本産食材プロモーションイベントを開催予定。イベントでは日本産牛肉の輸入解禁を受けて、現地シェフやレストラン、ホテル、輸入企業関係者などを対象に、和牛の紹介や料理の実演などが盛り込まれたセミナーなどを実施し、アルゼンチンにおける日本産食材のビジネスチャンスの拡大を後押しする。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン、日本)

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