中銀が政策金利を40%に据え置き

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年07月17日

アルゼンチン中央銀行は7月10日、金融政策協議会において政策金利を引き続き40%に据え置くことを発表した。自国通貨ペソの下落を防ぐための手段の1つとして4月27日から5月4日の8日間で合計12.75%という政策金利の大幅な引き上げが行われたが(2018年5月8日記事参照)今回も引き続き物価上昇基調が収まっていないことを理由に据え置きとなった。

ルイス・カプート中央銀行総裁にとって、総裁就任後2度目の金融政策協議会となった。同総裁は、これまで毎月2回開催された協議会を毎月1回に変更し、金融政策の助言機関だった同協議会を決議機関と位置付けた。次回以降は同協議会の構成委員の投票結果も公表される予定だ。

また同総裁は、従来から行っているLEBAC(中銀短期債)の流通市場(セカンダリーマーケット)での継続介入を表明し、併せて「物価上昇率を1桁までに抑え込むまで、政策金利だけではなく、通貨供給量をコントロールする」と述べた。

今回の中銀の発表では、2018年第2四半期はスタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)の局面に入っていることを認めており、景気が回復するためには農業セクターの回復と金融の安定が不可欠ともしている。中銀は政策金利の引き下げよりも、まずはドル・ペソ為替レートの安定、上昇基調の物価抑制、市場の安心を回復に注力している。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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