マクロン大統領、サヘル諸国首脳と安全保障協力を協議

(フランス、モーリタニア)

中東アフリカ課

2018年07月19日

6月25日~7月2日にモーリタニアで初めて開催されたアフリカ連合(AU)の第31回首脳会議(2018年7月13日記事参照)には、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も出席。サヘル5カ国(G5: マリ、モーリタニア、ニジェール、ブルキナファソ、チャド)の首脳とそれぞれ会談し、主に同地域における安全保障について協議した。

モーリタニアのモハメド・ウルド・アブデル・アジズ大統領は、マクロン大統領との会談で防衛、安全、エネルギー、健康の分野で両国間の連携が進んだと述べた。また、イスラム過激派や組織犯罪に対抗する重要な枠組みとして、G5合同軍が重要な役割を果たしているとした。この活動についてはフランスの協力を得ており、マクロン大統領は引き続き支援していくことを表明した。

2017年7月に正式に設立されたG5合同軍は、サヘル5カ国におけるテロ、国際的犯罪や人身売買撲滅に取り組んでいる。6月29日から7月1日にかけてマリでは、テロ組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」支部による、マリのG5合同軍本部やマリ軍への襲撃、フランス軍を標的にした自爆テロが発生した。これには4人の市民が犠牲になった。このことを受け、マクロン大統領はG5合同軍の再配置についても首脳らと協議した。

一方、マクロン大統領はアジズ大統領との会談で、両国の協力関係が安全保障のみならず、開発協力や経済連携においても強化されるべきだと述べ、その一環として在モーリタニアのフランス開発庁を通じ開発プロジェクトに4,600万ドル以上を融資すると発表した。アジズ大統領は、過激派が生み出されるのはアフリカの文化的・経済的な問題が根底にあるということを考慮すべきだとし、テロ対策には包括的なアプローチが必要だと述べた。

(本田貴子)

(フランス、モーリタニア)

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