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APTA加盟5カ国からの輸入関税を引き下げ

(中国、バングラデシュ、インド、ラオス、韓国、スリランカ)

北京発

2018年07月02日

国務院関税税則委員会は6月26日、アジア太平洋貿易協定(APTA)に加盟するバングラデシュ、インド、ラオス、韓国、スリランカ原産の輸入品に対する輸入関税の協定税率改定を発表した。税率表にある、HSコード8桁ベースで全8,549品目のうち、化学品、農産品、服飾品、鉄鋼、アルミなど合計2,323品目に及ぶ幅広い分野で税率改定が行われ、7月1日から適用されている。

今回、改定対象となった多くの品目が現行税率から引き下げとなった。具体的な品目をみると、靴(HSコード64021900など)が現行の24%から12%へ、衣類(61052000など)が17.5%から11.4%へ、熱間圧延ステンレス鋼板(72192100など)が10%から9.3%へ、冷凍の魚(03035900など)が10%から5%へ引き下げられた。なお、改定対象の具体的な品目リストは、財政部ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。

今回の改定については、「人民網」など当地メディアの多くが、大豆(HSコード12019010など)の関税が現行の3%から0%へ引き下げられたことを報じている。商務部は、米国の中国製品に対する追加関税徴収の方針を受け、米国から輸入する大豆などの農産物、牛肉、豚肉などの畜産物、自動車、水産物など545品目(2017年対米輸入額約340億ドル)に対して、7月6日から25%の追加関税を徴収するとしており、今回の措置の発表については米国を意識しているとの見方もある。

商務部国際貿易経済合作研究院国際市場研究所の白明副所長は、「米中貿易戦争のカギとなるタイミングで中国が他国からの輸入関税率を引き下げることは、中国が輸入の多元化を図り、米国が制裁で被るコストを高めることに役立つ」とした上で、「韓国、バングラデシュ、ラオス、スリランカは大豆の主要輸出国ではないが、今回の関税率引き下げでこれらの国が栽培品目の調整を行うように刺激することで、中国の一部の国への大豆輸入依存度を引き下げることに役立つ」との見解を示した(「21世紀経済報道網」6月27日)。

また、中国にとっては、交渉に時間を要する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)よりも、APTAに基づき貿易を促進することが短期的には効果があり、かつ結果的にRCEPや日中韓自由貿易協定(FTA)の締結にプラスの効果をもたらすとの見方もある。

なお、中国政府は近年、日用品の輸入関税率の引き下げに努めており、国務院常務会議が5月30日、アパレル、靴、帽子、冷蔵庫、加工食品など広範囲にわたる日用品の輸入関税率(最恵国税率)を7月1日から引き下げることを決定していた(2018年6月1日記事参照)。

今回のAPTAに基づく改定後の関税率(税委会〔2018〕27号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と、上記国務院常務会議の決定に基づく税委会公告〔2018〕4号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで定められた関税率(最恵国税率)を比較すると、アパレルや加工食品などの一部品目において、7月1日から適用の最恵国税率よりも同協定に基づく税率の方が高いという逆転現象がみられることから、通関時などには注意が必要だ。

(藤原智生)

(中国、バングラデシュ、インド、ラオス、韓国、スリランカ)

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