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肥料大手各社、輸出拡大に向け政府と関係強化

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年06月11日

肥料製造最大手のエブロヒム(注1)は5月15日、2018年第1四半期の財務諸表(国際会計基準)を発表した。売上高は13億5,700万ドルで前年同期比1.6%増、純利益は1億9,435万ドルで6.0%減、事業の収益性を示す利払い前・税引き前・償却前利益(EBITDA)は3.2%減だった。ルーブル高の影響としている。

業界2位(注2)のフォスアグロも5月31日、第1四半期の財務諸表を発表した。売上高は546億2,200万ルーブル(約983億1,960万円、1ルーブル=約1.8円)で前年同期比23.0%増、純利益は68億6,200万ルーブルと44.0%減だが、非資金損益項目調整後の純利益(注3)は12.5%増の63億4,300万ルーブルとなった。EBITDAは142億9,300万ルーブルで12.8%増。生産拡大と経費管理、市況回復で「収益性指標は底打ち状態から上昇に転じた」とした。

生産能力と輸送インフラ強化に積極的

政府と肥料メーカーは協力関係を深めている。プーチン大統領は5月7日、2024年までの4期目の基本政策目標を発表し、非資源・エネルギー商品の年間輸出額を2,500億ドルまで引き上げるとした(2018年5月8日記事参照)。輸出増へ政府と肥料各社の思惑が一致したかたちだ。政府は2018年4月に「2025年までの鉱物性肥料生産発展のロードマップ」を策定。2016年比で生産量を20%(730万トン)、輸出割合を75%まで引き上げることにしている。政府はまた、ロシア企業の海外市場参入の障壁の撤廃を含む輸出支援も行う。ロシア産肥料は過去、米国、インド、ブラジル、アルゼンチン、ウクライナなどでダンピング調査の対象となり、高関税の賦課や禁輸措置が取られている。工業商務省は5月25日、業界3位のウラルカリと相互協力協定を締結した。

企業は生産能力増強と輸送インフラへの投資を積極的に進める。エブロヒムはペルミ州のカリ肥料工場が2018年3月に稼働したほか、子会社ボルゴカリの第2工場(ボルゴグラード州)とアンモニア工場(レニングラード州)を建設中。フォスアグロは2020年までに生産量を2016年比24%増の920万トンまで引き上げる。業界4位のアクロンもムルマンスク州で肥料コンビナートを建設。インフラ分野でも各社はバルト海沿いのウスチルーガ港などに投資を行い輸出能力の強化を図っている。

(注1)ロシアで創業し世界的に展開する企業。現在は本社をスイスに置く。

(注2)純利益ベース(2016年実績)。

(注3)減価償却費、のれん償却額など、キャッシュフローが伴わない項目のこと。

(高橋淳、市谷恵子)

(ロシア)

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