バフタゼ新首相は前内閣の政策を踏襲、省庁再編を実施へ

(ジョージア)

欧州ロシアCIS課

2018年06月22日

ジョージア国会は6月20日、辞任したギオルギ・クビリカシビリ前首相(2018年6月14日記事参照)の後任として、同政権で財務相を務めたマムカ・バフタゼ氏を首相として承認した。バフタゼ新首相は就任に当たり、政策文書(プログラム)を発表。次回議会選挙が行われる2020年秋までの2年間に、貧困の撲滅、民主主義の確立や経済成長の達成、年金や社会的弱者保護、国民生活の債務依存の低減などの社会制度改革を実施する。安全保障と経済面で欧州への統合を進める方向性は、前政権と大きな違いはない。

バフタゼ首相は政策目標達成のため、省庁再編を実施する。現在14ある省庁を11もしくは10に再編するもので、再編案の作成・承認には3週間程度必要としている。その間、外相、財務相、経済・持続的発展相を除き、前内閣の閣僚が引き続き大臣を務める(表参照)。外相、経済・持続的発展相、財務相にはそれぞれ前の副大臣が任命された。省庁再編後にあらためて新大臣の任命が行われる予定で、野党などは「時限的内閣」と批判している。

表 ジョージア新政権の主要閣僚

バフタゼ首相は対外政策について、「EUとNATOへの不可逆的な統合」を推進し、国防力の強化、アブハジアと南オセチア(注)の平和的方法による(ロシア軍による)占領状態の解除、領土的一体性の回復を目指す。一方で、ロシアとの関係では貿易・経済関係と両国民の文化的交流を推進する。外国投資の呼び込みのため、自由経済区の創設や黒海沿岸で開発中のアナクリヤ港へのインフラ投資を引き続き実施するとしている。

バフタゼ氏は1982年生まれの36歳。トビリシ大学マクロ経済・経営学部を卒業後、モスクワ大学で修士号、フランスの経営大学院(インシアード)でMBAを取得。グルジア鉄道などでの勤務経験を経て、2017年11月から財務相を務めた。

(注)両地域ともに、ロシアの支援を得てジョージアからの独立を宣言している。

(高橋淳)

(ジョージア)

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