クビリカシビリ首相が辞任、内閣も総辞職

(ジョージア)

欧州ロシアCIS課

2018年06月14日

ジョージアのギオルギ・クビリカシビリ首相は6月13日、緊急会見を開き、首相を辞任すると発表した。同首相の辞任に伴い、内閣も総辞職した。2015年12月30日に就任したクビリカシビリ首相は「内閣は良い仕事をし、適度の経済成長を成し遂げた」と各閣僚をねぎらった。首相辞任により、政権与党「ジョージアの夢」は7日以内に新首相候補を選出し、ゲオルギ・マルゲベラシビリ大統領が同候補者を国会へ提示する。

クビリカシビリ首相の辞任の背景には、2018年5月の警察によるナイトクラブでの過剰な麻薬捜査を契機に首都トビリシ市内でデモが発生したことがある。警察への抗議行動のほか、同首相の辞任を求める声が出ていた。また政権与党も、同首相の経済運営や対外債務の増加(注)、デモへの対応などをめぐり、批判的だった。

ジョージアでは2018年秋に大統領選挙が予定されており、首相交代によって政府と与党のイメージアップを狙ったもの、との見方(モスクワ国際関係大学のニコライ・シラエフ上級研究員)も出ている(「RBK」紙電子版6月13日)。

(注)ジョージアの対外債務は2015年の152億ドルから2017年に172億ドルに拡大している。

(高橋淳)

(ジョージア)

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