欧州委、対米追加関税リストをWTOに通告

(EU、米国)

ブリュッセル発

2018年05月21日

欧州委員会は5月18日、今後、EUとして追加関税賦課の対象とする米国産品のリストをWTOに対して通告した。米国の鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税賦課に対する「相殺措置」と位置付けている。

具体的な対象品目としては、鉄鋼製品など(HS7210 12 20~7326 90 96)やアルミニウム製品など(7606 11 10~7606 12 93)のほか、自動二輪車など(8711 40 00~8711 50 00)、ヨット・娯楽用船舶・スポーツ用船舶など(8903 91 10~8903 99 99)、スイートコーン(0710 40 00)、コメなど(1006 30 21~1006 40 00)、ピーナツバター(2008 11 10)、バーボンを含むウイスキーなど(2208 30 11~2208 30 88)、たばこなど(2402 10 00~2402 90 00)と広範な品目を挙げ、EUに流通する代表的な米国産品を盛り込んだ。ただし、スコットランド・ウイスキー協会などは現在、WTO譲許税率が「無税」のウイスキーにEUが追加関税賦課に踏み切った場合のリスクを指摘している(2018年4月18日記事参照)。

欧州委は今回の措置について、WTOのセーフガード協定で認められた範囲の権利の行使としているが、即時に追加関税賦課を開始することはなく、あくまでWTOルールに基づいて手続きを進める。欧州委はこれら追加関税賦課対象品目リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを官報で公表し、適用開始期日として6月20日を想定している。

究極的には“貿易戦争”回避を望む

こうした対米報復の方針は2018年上期(1~7月)のEU議長国を務めるブルガリアの首都ソフィアで開催されていたEU非公式首脳会議でも確認されたが、同会議後の記者会見(5月17日)で欧州委のジャン=クロード・ユンケル委員長は「繰り返し言う。われわれの望みは(EU原産の鉄鋼・アルミニウムに対する米国の追加関税賦課の)恒久的適用除外だ」と述べている。また、ユンケル委員長は米国との「包括的貿易投資協定(TTIP)」交渉の再開の可能性についても示唆したが、そうした協議の前提には「相互主義の原則、WTOルールの尊重、『貿易戦争』の回避」があると指摘。「米国の脅しに屈して、通商協議に戻る考えはない」との姿勢も明確に示した。

(前田篤穂)

(EU、米国)

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