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慎重な対米対抗措置検討を求めるスコットランド・ウイスキー産業界

(EU)

ブリュッセル発

2018年04月16日

欧州委員会は4月12日付の公開文書で、米国政府の(鉄鋼・アルミニウムに対する)追加関税措置との関係で、スコットランド・ウイスキー協会(SWA:本部・英国・エディンバラ)が、米国産バーボンに対する新たな関税賦課を行わないように欧州委に対して申し入れを行っていたことを明らかにした。

蒸留酒に対する関税賦課のリスクを指摘

これによれば、SWAは3月7日に欧州委のセシリア・マルムストロム委員(通商担当)に意見書を送り、(1)米国はスコットランド産ウイスキーにとって世界最大の市場〔2017年輸出額:9億2,200万ポンド(約1,410億円、1ポンド=約153円)〕で、2016年は対米輸出が40億ユーロを突破したEU原産・蒸留酒(スピリッツ)にとっても世界最大の市場であること、(2)ウイスキーやバーボンはWTO譲許税率で「無税」であり、EU・米国双方の蒸留酒生産者や消費者はその恩恵を受けていること、(3)EU・米国の蒸留酒事業者は相互に投資を進めており、事業ポートフォリオ上、相互補完関係を構築していること、(4)EUが米国産バーボンに関税賦課を行っても、米国が鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税措置を見直す効果は期待できないが、EUに対する新たな対抗措置に踏み切るリスクは高まること、(5)WTO税率が0%のバーボンに関税賦課することがWTOルール違反となり得るリスクも考慮すべきことなどの理由で、EUとしての対抗措置に米国産バーボンを加えないよう求めた。

最終的な判断は米国次第

これに対して、欧州委のマルムストロム委員は4月10日付で回答し、5月1日までの期限付きだが、EU製品は米国の追加関税措置の適用が除外されており、「EUの鉄鋼・アルミニウム輸出は米国の安全保障や米国産業界に対する脅威ではないと考えており、EUは恒久的な適用除外を認められるべき」「全てのチャネルを動員して、この方向で米国当局への働き掛けを続けて行く」との方針を示した。

また、マルムストロム委員はEUの基本姿勢は「対話優先だ」とし、スピリッツ業界の懸念は慎重に踏まえるとしたが、同時に、EUの対応は米国政府の最終決定次第、との見解を示した。

(前田篤穂)

(EU)

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