15閣僚が就任、財政健全化を目指す

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年05月30日

マハティール新首相は5月18日、首相、副首相を含めた15閣僚の名簿を発表した。当初、主要10省庁の閣僚を発表するとしていたが(2018年5月15日記事参照)、外相と公共事業相は未発表だ。新設された経済省は、前政権下で首相府傘下にあった経済企画庁(EPU)の役割を担う。5月21日には就任式が行われた。

多くが国会議員や州議会議員経験者

当初、マハティール首相が教育相を兼務するとの意向が示されていたが、教育相はマレーシア統一プリブミ党(PPBM)のマスズリー・マリック氏が指名された。10省庁以外では、女性・家族開発相、住宅・地方自治相、人的資源相、農業・農業関連産業相、保健相の5閣僚が発表された。ワン・アジザ副首相が女性・家族開発相を兼務する。

発表された15閣僚の経歴をみると、多くが連邦下院議員、州議会議員の経験者が占める。ムヒディン・ヤシン内相は副首相をはじめとする閣僚経験がある。リム・グアン・エン財務相、モハマド・アズミン・アリ経済相は、それぞれペナン州、セランゴール州の首席大臣を務めた。

初の閣僚会議で財政の健全化を議論

5月23日に初めての閣僚会議が開かれ、健全な国家財政を目指すための支出削減などに取り組む計画が話し合われた。その一環として、マハティール首相は公的部門の縮小を発表し、具体案として、首相府傘下にあった3つの政府機関の解散と再編、政治任命制度で登用されていた契約職員の整理解雇、閣僚の基本給の10%削減などを例示した。

省庁の再編にも取り組む

マハティール新政権では、ナジブ前政権と比べ閣僚ポスト数を削減すると発表されているが、明確なポスト数は未発表だ(5月30日時点)。現地報道によると、25~30ポストとなる見通しだ。また、省庁の再編にも取り組んでいる。5月22日には、2015年に分割した教育省と高等教育省を再統合し、教育省とすることが発表された。

(田中麻理)

(マレーシア)

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