アルミ6団体、G20首脳に過剰生産問題解決求める

(欧州、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、日本)

ブリュッセル発

2018年04月12日

主要国のアルミニウム関連6団体(注)は4月10日、「鉄鋼過剰能力グローバル・フォーラム」と同じ枠組みをアルミニウム分野においても導入することを求める意見書を、各国のG20首脳補佐役(シェルパ)に送付した。6団体は、特に中国での過剰生産が世界のアルミニウム貿易の公正な競争条件を阻害しているとの認識の下、ブエノスアイレス(アルゼンチン)で開催予定の次回G20首脳会議(2018年11月30日~12月1日)で、アルミニウム分野での過剰能力グローバル・フォーラムの立ち上げを求めている。

中国の生産拡大を問題視

6団体は、アルミニウムの2017年の供給動向について、中国以外の世界生産が2.0%の増加にとどまったにもかかわらず、中国は13.3%も生産を拡大したことを問題視。これまでの各国個別の対策は不十分で、抜本的な問題解決には主要国が協調して対策を講ずる必要があると指摘した。

多国間での問題解決の道探る

欧州アルミニウム協会(EAA)は3月22日に発表した声明(2018年3月26日記事参照)で、欧州委員会に迅速なセーフガード措置発動を求めたが、同時に中国の過剰生産問題の長期的な解決のためにはG20の機会を活用し、グローバル・フォーラムを通じて多国間ルールに基づく決着を推進する道も探るべきと提言している。

(注)欧州アルミニウム協会(EAA)、米国アルミニウム協会(AA)、カナダ・アルミニウム協会(AAC)、メキシコ・アルミニウム研究所、ブラジル・アルミニウム協会(Abal)、日本アルミニウム協会(JAA)の6団体。

(前田篤穂)

(欧州、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、日本)

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