ルスアルへの制裁措置発動に6カ月の猶予期間を設定

(ロシア、米国)

欧州ロシアCIS課

2018年04月26日

米財務省外国資産管理局(OFAC)は4月23日、4月6日に公表した対ロシア制裁措置(2018年4月10日記事参照)の一部を緩和し、ロシアのアルミ製造大手ルスアルとの取引・決済などに関し6カ月間の猶予期間を設定した。

新たに発表されたのはOFACの一般許可第14号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)「ルスアルとの取引または既存契約の維持または終了に必要な活動の認可について」。4月6日の一般許可第12号で取引制限対象として列挙された貿易・金融取引規制をルスアルに限り緩和するもの。

具体的には、同社もしくは同社が直接・間接的に50%以上所有する子会社(以下、ルスアルなど)に対して4月6日以前の契約などの合意により実施される活動の維持、業務終了に必要な全ての活動を、米国東部時間の2018年10月23日午前0時1分まで認める内容となっている。

一般許可第12号では、ルスアルを含む制裁対象企業関係者向けの支払いは米国政府が指定する口座に入金しなければならなかった。今回の措置により、ルスアルとの既存契約などに基づく取引維持や業務終了に関する限り、この義務が解除された。上記特定口座に既に入金済みの資金についても、米国当局による個別許可の取得なしで支払いに利用できることとなった。

一般許可14号を受けて、同第12号の内容が修正された一般許可第12A号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が公表された。同様にFAQ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(よくある質問と回答)も更新され、外国人(法人を含む)がa.ルスアルなどと米国外で取引を行う場合、b.第三国からルスアル向けに機材・物資などを輸出する場合、一般許可第14号で米国人(法人を含む)に許可されたものと同様の取引である場合に限り、米国による2次制裁の対象とはならない旨などが記載された。

アルミ製造世界大手のルスアルに関しては、4月6日の米国による制裁発表後、アルミ価格が高騰し市場が混乱。日本企業についてもルスアルに対し取引停止を要請したことなどがロシア国内で大きく報道されるなど、米国内外で大きな影響が出ている。

(高橋淳)

(ロシア、米国)

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