2018年の政府経済見通し、2.0%に上方修正
(フランス)
パリ発
2018年04月18日
政府は4月11日、フランスの2018年の実質GDP成長率の見通しを2.0%に上方修正した。同日閣議決定した中期財政計画(2018~2022年)政府案の中で明らかにした。2017年の実質GDP成長率は2.0%と前年の1.1%から大きく持ち直していたが、2018年もユーロ圏景気の持ち直しと世界需要の加速、大きな伸びが続く企業設備投資、家計の購買力の伸びにより、力強い回復が続くとした。2019年も1.9%と同水準を維持するが、その反動を受け2020~2022年はいずれも1.7%となる見通し。
また、財政赤字については2017年にGDP比2.6%と10年ぶりにEUのマーストリヒト基準(注)を達成、2018年は政府支出を抑制することで2.3%まで引き下げる。2018年以降も行政サービスの効率化など構造改革を推進することで歳出縮小を継続し、2022年に財政均衡を目指す。
マクロン政権の改革も貢献
ブルノ・ルメール経済・財務相は「ル・フィガロ」紙(4月11日)のインタビューで、好調な世界経済に加え、「マクロン政権が取り組んできた労働市場改革(2017年10月16日記事、10月17日記事参照)、見習い・職業訓練制度の改正、キャピタルゲイン課税の軽減、住民税の撤廃などの構造改革が企業および家計に与えた信頼感、プラス効果も(景気回復に)貢献している」と指摘。また、企業収益の改善を受け、民間部門での雇用創出数は2018年も2017年と同様に25万人、企業設備投資も2018年は前年比4.4%増との予測を示した。
(注)欧州連合条約(マーストリヒト条約)で示された、財政赤字はGDP比3%、債務残高は対GDP60%を超えないこととする財政基準。
(山崎あき)
(フランス)
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