EU外相理事会、北朝鮮独自制裁の対象に17人追加

(EU、北朝鮮)

ブリュッセル発

2018年01月23日

EU外相理事会は1月22日、北朝鮮側の「資産凍結」「渡航制限」の対象者として新たに17人の北朝鮮国民を制裁リストに追加した。これはEUとしての独自制裁措置で、国連決議に基づく制裁を回避する活動を行ったり、違法取引への関与が疑われる者に制裁対象を拡大した。

国連決議に基づく制裁回避を許さず

EU外相理事会が1月22日にブリュッセルで開催され、北朝鮮側の資産凍結および渡航制限の対象者として新たに17人の個人(北朝鮮国民)を制裁リストに追加した、と発表した。国連安全保障理事会決議に基づく制裁に追加するかたちでの独自制裁措置となる。

EUは、国連決議を無視して核実験や大陸間弾道ミサイルの開発を続ける北朝鮮に対する圧力を強めるため、制裁措置を継続している(2017年9月11日記事参照)。今回、追加された17人は国連決議に基づく制裁を回避するための活動や違法な取引に関与したとされるが、EUが公開したリストによると、中国、バングラデシュ、南アフリカ共和国などの北朝鮮の在外公館に勤務する者も含まれている。

今回の追加措置の結果、EUとしての独自制裁(2017年10月17日記事参照)の対象は58人、10法人(団体)となった。EUはこれら独自制裁とは別に、国連安保理決議に基づいて79人、54法人(団体)を制裁対象にしている。

なお、フェデリカ・モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表(欧州委員会副委員長)は1月9日、韓国と北朝鮮のハイレベル会談について「南北関係の改善に向けた前向きな一歩を示す、明るい兆し」と歓迎する声明を発表。2月に韓国・平昌(ピョンチャン)で開催される冬季五輪への北朝鮮代表団の参加などを評価し、韓国と北朝鮮のさらなる交流が朝鮮半島の平和と安定に向けた基盤になると期待感を表明していた。

(前田篤穂)

(EU、北朝鮮)

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