メコンデルタ地域で環境商談会、汚泥処理技術に注目

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年01月29日

ジェトロはベトナム南部メコンデルタ地域のカントー市内で2017年11月23日、環境商談会を開催した。ホーチミン市、メコンデルタ地域やバリア・ブンタウ省などから計42社の地場企業が来場し、日本企業と商談を行ったほか、メコンデルタ地域各省の環境局の担当者が来場するなど環境問題に対する関心の高さがうかがえた。中でも、汚泥処理に関連した設備や製品に注目が集まった。

大都市部以外でも関連技術に高いニーズ

ベトナムで開催される展示会・商談会の多くは、ハノイ市やホーチミン市などの大都市部が中心だったため、従来は参加が難しい地方のベトナム地場企業が多かった。ジェトロは今回、環境商談会をメコンデルタ地域最大の都市であるカントー市での開催とした。メコンデルタ地域はエビやナマズなどの養殖業が盛んで、排水処理や汚泥処理などの関連技術のニーズが高いエリアだ。また、ベトナム国内で関心が高まっている環境分野に特化したことが奏功し、カントー市周辺のみならず、タイニン省やカマウ省などベトナム南部を中心とした13省から42社が来場した。商談会には日本企業15社が参加し、商談件数109件、見積り・サンプル発注21件、成約見込み2億6,000万円という結果となった。

埋め立て地の有効利用に汚泥処理技術を活用

環境分野の中でも、ベトナム企業や地方政府にとって汚泥処理は最も悩ましい問題の1つだ。コストが高い上、埋め立て用地の収容能力に限界があり、また新規の埋め立て用地確保も住民からの苦情が多く難しいためだ。半面、排水処理施設が業者に支払う汚泥の処理費用が高額であることから、事業性が高い分野ともいえる(2017年12月19日記事参照)。

商談会に参加した高砂工業ホーチミン事務所の宮地健太郎マネジャーは「いかに汚泥を熱処理により減容化(注)や適正処理することができるかが重要だ」と話す。同社は、これまで蓄積してきた熱処理技術により、汚泥の量を10分の1まで低減できるという。汚泥量を少なくすることで、処理コストが下がるだけでなく、埋め立て用地の残余年数を延ばすことが可能となる。また熱処理分解により、汚泥に含まれるダイオキシンを抑えることも可能だ。一方、問題点もある。宮地氏は「ベトナムで規定されている処理費用を前提とすると、当社の設備を導入するには、1日当たり10トン以上処理しなければ事業として成り立たない。企業単体ではなく、工業団地の排水処理施設など大型施設ではメリットが出る。また、地方政府を通じて、最終処分場へ導入されるよう働き掛けていくことが当社としては重要となってくる」と説明する。

写真 商談会セレモニーの様子(ジェトロ撮影)

汚泥処理設備や関連製品の中でも、微生物を利用して汚泥を分解する薬品に注目が集まった。養殖事業者にとって、水質管理は必要不可欠だ。特に、取り扱う企業が多いエビについては、水質の汚染は病気の原因となるため、養殖事業者からの注目度が高い。ただ、参加した日本企業は「養殖事業者の中には、そもそもバイオ(微生物による汚泥処理)やマイクロバブル(好気生菌の活性化による汚泥処理)の特性を正確に理解していない企業が見受けられる」とする。また、「汚泥処理設備を導入することで満足し、誤った方法で使用したり、粗悪で実際には効能がないものを使用していたりする業者もいる」と指摘する。

今回の商談会では、汚泥処理を中心とした日本の環境関連設備について、正確な使用方法や効能を伝えることにより、地場企業が想定する価格水準より高い場合でも、継続的な相談やサンプル発注があった企業が多数見受けられた。都市部のみならず、地方でも提案次第では大きなビジネスチャンスがあるといえるだろう。

 写真 乾燥汚泥に注目する来場者の様子(ジェトロ撮影)

(注)処理対象の汚泥に、焼却、破砕、圧縮などを施し、廃棄物を最終的に処分する容量を少なくしておくこと。

(佐々木進伍)

(ベトナム)

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