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最低賃金、2018年にも引き上げへ-労働組合は全国一律最低賃金を要求-

(マレーシア)

クアラルンプール発

2017年10月24日

人的資源省は10月12日、最低賃金を2018年にも引き上げる方針を発表した。引き上げ幅は今後、国家賃金諮問評議会で審議される。2013年1月に導入された最低賃金は、2016年7月に初めて引き上げられ、2年に1度改定されることになっている。近年、最低賃金の引き上げに加え、外国人労働者にかかる人頭税の増額、雇用保険制度の導入など、企業の労務費増加につながる動きが続いている。


マレー半島部と東マレーシアでそれぞれ決定

ベルナマ通信(10月12日)によると、リチャード・リオット人的資源相が「2016年最低賃金令の見直しを開始した」と述べ、2018年にも最低賃金を引き上げる方針を発表した。

マレーシアでは2012年最低賃金令により、2013年1月1日から最低賃金制度が導入された。最低賃金は全業種、外国人労働者を含む全ての労働者に適用され、マレー半島部と東マレーシア(サバ州、サラワク州、ラブアン連邦直轄地)でそれぞれ金額が決められている。導入後、初めての改定が2016年7月に行われ、マレー半島部が900リンギ(約2万4,300円、1リンギ=約27円)から1,000リンギに、東マレーシアが800リンギ(約2万1,600円)から920リンギにそれぞれ引き上げられた。政府はこの改定時に、少なくとも2年に1回の頻度で見直しを行うとしており、次回の改定は2018年中に行われるとみられていた(2016年5月16日記事参照)。

労働組合の中央組織であるマレーシア労働組合会議(MTUC)は政府に対し、生活費の上昇を主な理由を挙げ、全国一律1,800リンギの最低賃金を要求している。最低賃金の見直しを行う国家賃金諮問評議会も、マレー半島部と東マレーシアとの最低賃金の差額を段階的に縮めていくよう勧告しているという。最低賃金は、生活費の上昇、物価上昇、生産性向上、雇用者の賃金支払い能力などを考慮して決定される。

度重なる労務コスト上昇が経営課題に

マレーシア製造業連盟(FMM)のジェイコブ・リー会長は「最低賃金の引き上げは製造業者にとって重荷になることは間違いない」と指摘する「エッジ・フィナンシャル・デイリー」紙10月13日)。2016年は最低賃金の引き上げに加え、外国人労働者の雇用にかかる人頭税(レビー)が増額された。2017年に入ってからは、雇用者と被雇用者が均等負担する雇用保険制度が2018年1月1日導入と決定された。報道によると、拠出率は8月時点で雇用者と被雇用者がそれぞれ0.5%とされていたが、雇用者側の反対を受けて0.2%ずつの負担に引き下げられ、10月の連邦議会に提出される見込みだ(「ニュー・ストレーツ・タイムズ」紙10月11日)。日系企業ではこうした度重なる労務コストの増加に加え、外国人労働者の新規雇用の規制、マレーシア人の製造現場離れなどによる人材不足が顕著になっており、経営上の課題として労務問題の深刻化が懸念されている。

(田中麻理)

(マレーシア)

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