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外資規制リストは12月にも法案成立の見通し-フィリピン経済ブリーフィングを都内で開催(1)-

(フィリピン、日本)

マニラ発、アジア大洋州課

2017年10月11日

ジェトロは9月26日、東京都内で「フィリピン経済ブリーフィング2017」を開催した。日本企業、両国政府機関の関係者ら約380人が参加、フィリピン政府の主要経済閣僚らが最新の経済動向や進行中あるいは計画中の大規模インフラプロジェクトについて紹介した。本セミナーについて2回に分けて報告する。前編は経済動向について。


日本企業にさらなる投資を呼び掛け

本セミナーは、フィリピンの主要経済閣僚、中央銀行総裁、フィリピン・日本両国のビジネスリーダーを招き、2部構成で実施された。第1部ではドミンゲス財務相をはじめ担当大臣が、最新の経済・金融・財政動向に加えて、税制改革や規制緩和に向けた取り組みについて講演した。第2部ではトゥガデ運輸通信相が、進行中あるいは計画中の大規模インフラプロジェクトの詳細について紹介し、日本企業によるさらなる投資を呼び掛けた。第1部、第2部ともパネルディスカッションを行い、各大臣と両国のビジネスリーダーが登壇した。

フィリピンの憲法では、公共事業における出資・就業について、エンジニアリングやリーガルサービスなど多数の業種でフィリピン資本、フィリピン人に限定されている。また、1991年外国投資法に基づく「ネガティブリスト」では、外資参入の禁止分野や制限分野が業種ごとに定められている。例えば、通信分野は「ネガティブリスト」で公共事業に該当し、外国企業による出資を40%に制限している(2016年12月28日記事参照)。これにより、日系を含む外資系の通信企業は、地場企業と合弁事業を営むか、外資の出資制限がないIT分野においてシステム構築やセキュリティー対策などを手掛けるソリューションプロバイダーとして事業を展開している。

ドゥテルテ政権の経済政策(ドゥテルテノミクス)では「外資誘致と競争力強化のための憲法と法律の見直し」を掲げ、規制緩和のために現行リスト(「第10次ネガティブリスト」)の改定を進めている。

ドミンゲス財務相、ペルニヤ国家経済開発庁長官は、「ネガティブリスト法案は上院本会議を間もなく通過し、10月後半には両院協議会に送られ、下院・上院双方の法案のすり合わせに入る」とし、期限となる12月半ばの法案通過に自信を示した。また、ペルニヤ長官は、建設業、製造業、教育、医療サービスを中心に外資の参入制限を緩和する方針を明らかにし、積極的に外資を受け入れるために憲法改正も検討しているとし、「改憲の過程については12月、または2018年に開始されるだろう」と述べた。

投資主導型の経済成長に自信

ドミンゲス財務相は、2017年第2四半期のGDP成長率が6.5%だったことについて、従来はサービスセクターに支えられていた経済成長が、工業の成長率7.3%、農業6.3%と好調だったことを強調した。インフラを中心とした投資が拡大すると予想されるが、こうした投資主導型の経済成長は従来の消費主導型に比べて力強いとして、同相は「質の高い雇用の実現を通して、貧困率を現在の21%から2022年までに14%に引き下げる」と述べた。

フィリピン国債は2013年にムーディーズ、スタンダード&プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングスの欧米系格付け大手3社により「投資適格」に引き上げられた。低金利の借り入れが可能となり、不動産ブームをはじめ活発な企業活動につながっている。さらに、エスペニリャ中銀総裁は「対外債務残高と比較して外貨準備高が高い水準で積み上がり、対外的危機にも対応できる」と強調した。

為替相場についてドミンゲス財務相、エスペニリャ中銀総裁はともに「ペソ安で輸出は競争力を増す。フィリピン経済の特徴である海外送金にとっても好都合で、国内消費が増えることにつながる」として、市場介入の必要性を否定した。またドミンゲス財務相は「今後もこの低金利環境は続く。インフレ率も2~4%で推移するとみている」として、高成長が継続する中、物価の安定と低金利が実現していることを強調した。

フィリピンは地域間格差と所得格差の2つの格差問題を抱えている。ドゥテルテ政権の大規模インフラプロジェクトは、これらの社会問題解決の土台と期待されている。

写真 講演するドミンゲス財務相(ジェトロ撮影)

(石原孝志、坂田和仁、渡邉敬士)

(フィリピン、日本)

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