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2016年は国民の4分の1がECサイト経由で購入-中南米のeコマース事情(4)-

(ブラジル)

サンパウロ発

2017年10月16日

ブラジルの電子商取引(EC:eコマース)市場は、国内経済の低迷にもかかわらず、近年は拡大している。小売店、書店、化粧品会社など、さまざまな分野で自社製品販売ツールとしてのインターネット販売が行われている。アマゾンや楽天のほか、南米市場を中心にビジネスを行うメルカドリブレなども越境EC市場で台頭している。国土が広くインフラが脆弱(ぜいじゃく)なブラジルだが、新たなプラットフォームの開発を通じて、さらなる顧客獲得を目指す動きもある。中南米のeコマース事情に関する特集の4回目はブラジルについて。

スマホやタブレット経由の購入も浸透

ブラジルにおけるEC市場調査を行うEbitによると、同市場は2013年以降、成長の一途をたどっている。近年、ブラジル国内経済は低迷しているものの、EC市場は好調で、2016年は金額ベースで前年比7.4%増加した。ブラジル国内の約4分の1に当たる約4,800万人がECサイトを経由して買い物を行った。2017年もさらなる市場の拡大が見込まれている。ブラジル国内では、小売り大手のパン・ジ・アスーカル、ウォルマート、カルフールなどがいずれも自社製品の販売ツールの1つとしてインターネット販売を行うほか、化粧品大手のボチカリオ、書店大手のリブラリア・クルトゥーラ、さらにはアパレル、家電製品、電子製品などの分野でもECが行われており、国内の都市部を中心にオンラインショッピングが浸透している。

越境ECの分野では、アルゼンチンのメルカドリブレや米国のアマゾンなどがブラジルに現地法人を設立し、日本の楽天も2011年に現地企業を買収して、同市場に参入している。

Ebitによると、ECサイトユーザーの平均年齢は43.3歳で、地域別では経済活動が活発なサンパウロ州やリオデジャネイロ州を含む南東部が全体の6割を占める。また、スマートフォンやタブレット端末を使って購入する人は全体の21.5%に上る。2016年は、カーアクセサリー、携帯電話、インテリア製品などの購入が伸びた。

ブラジル国内で存在感示すメルカドリブレ

サンパウロ市に隣接するオザスコ市にブラジル拠点を構えるメルカドリブレは、メキシコを含む中南米市場で越境ECビジネスを行う。ユーロモニターによると、同社は2016年のブラジルにおけるインターネット小売販売額のシェアが17.6%で、企業別では2位だ。

同社のフランソワ・マルティンス氏によると、2016年の売上高のうち67%がブラジルであり、同社にとってブラジルは最も重要な市場だ。一方で、脆弱な物流システムや高額で複雑な税制など課題も多い。また、ECに関する国内規制が十分に整備されていないための難しさもあるとする。これらの課題を克服しようと、同氏はブラジル政府と日々協議を重ねているという。同社は、新たなECプラットフォームの開発を通じて国内の顧客満足度を高めることで、年々売り上げを伸ばしている。現在取り組んでいるのは、プラットフォームそのものがディストリビューターとしての役割も果たせるような仕組みだ。プラットフォーム上でビジネスマッチングを行い、海外からの出品者は同社の保税倉庫に在庫をストックでき、注文があった時点で通関して関税を支払うことになる。売れ筋商品やシーズン商品にも対応しやすいとしている。現在、運用についてブラジル政府と協議中で、近日中に実用化できる見込みだという。

メルカドリブレでは現在、米国に拠点を置く企業に限り、ブラジルに拠点がなくとも出品が可能だ。同社が提供する「クロス・ボーダー・トレード」と呼ばれるプラットフォームを活用すれば、ブラジルに在庫を持たなくとも出店できる。消費者はメルカドリブレへ支払いを行い、出品者も代金を同社から受け取る。出品者が米国にいる場合は、同社が海外送金を行う。出店企業側の負担は、金融取引税(IOF)率の0.38%のみ。物流については、DHL(ドイツ)と契約を行うことで、配送にかかるおおよその日数をあらかじめ消費者に知らせることができる。これは、物流が脆弱であるが故に配送にかかる時間が分かりにくいブラジルにおいては、画期的なサービスだ。なお、ブラジルに拠点がない日本企業についても、需要があれば同プラットフォームの活用を検討するとしている。

認証の取得は出品者が行う必要

ブラジルにおけるECに関する国内規制は、消費者保護法(Lei8.078)や、出品者情報の提供・開示義務とクーリングオフなどについて定めた法令(Decreto7.962)が存在する。出品者は、自身の所在地やコンタクト先を明らかにする必要がある。クーリングオフ期間は7日間で、返送にかかる費用は出品者が負担しなければならない。ECにおいて規制されている対象製品は特段ないが、ブラジル国内の法律で輸入が禁止されている品目(ジェトロ「貿易管理制度」ブラジル参照)は取り扱いができず、また輸入に際し認証が必要な製品は、認証取得を出品者が行う必要がある。メルカドリブレや楽天では、このほかに知的財産侵害製品や模倣品は取り扱わない旨を自社ウェブサイトに掲載している。

(辻本希世)

(ブラジル)

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