日米製の光ファイバー用プリフォーム、AD措置の継続要否調査

(中国、日本、米国)

北京発

2017年08月24日

商務部は8月18日、日本製と米国製の光ファイバー用プリフォームに対するアンチダンピング(AD)措置を継続するかどうか判断するため、サンセットレビューを行うと発表した。

2015年に「クロ」の判定、2年間のAD措置実施

今回の公告(商務部公告2017年第35号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)でサンセットレビュー(注)の対象となったのは、日本と米国を原産地とする光ファイバー用プリフォーム(HSコード:70022010、英文名称:Optical Fiber PreformもしくはFiber Preform)。光ファイバー用プリフォームとは、光ファイバーを製造する際の母材となるガラス棒を指す。

商務部は2015年8月19日、同製品に対するAD問題で「クロ」の決定を下し(商務部公告2015年第25号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、同日から2年の課税期間でダンピングマージンを徴収する形式によりAD措置を取っていた(2015年8月20日記事参照)。

商務部は2017年6月8日、中国の同業界を代表する長飛光繊光纜、江蘇亨通光繊科技、富通集団から、AD措置を撤廃するとダンピングおよび損害の存続または再発をもたらす可能性があるとする、AD措置のサンセットレビュー申請書を受領していた。

このため、商務部は8月19日からサンセットレビューを開始した。調査期間中は、日本と米国を原産地とする光ファイバー用プリフォームにはダンピングマージンを徴収するかたちでAD措置が継続される。ダンピングマージンは日本企業が8.0~9.1%、米国企業が17.4~41.7%となっている。

サンセットレビューでのダンピング調査の対象期間は2016年7月1日~2017年6月30日、産業損害の調査対象期間は2014年1月1日~2017年6月30日。サンセットレビューは8月19日から1年以内(2018年8月18日以前)に終了する予定。

(注)WTOのAD協定では、AD措置は原則5年で撤廃することとなっているが、当局が調査した結果、AD税の撤廃がダンピングおよび損害の存続または再発をもたらす可能性があると判断する場合には、AD措置を継続できるとしている。サンセットレビューはAD措置を継続するかどうか判断する際に行われる調査のことを指す。

(宗金建志)

(中国、日本、米国)

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