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通商交渉は離脱問題の解決後に開始-欧州委のユンケル委員長、対英交渉に厳しい認識表明-

(EU、英国)

ブリュッセル発

2017年08月30日

欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は8月29日、EUから各国・諸機関に派遣している大使を集めた年次会合で、英国のEU離脱(ブレグジット)交渉についての厳しい現状認識を明らかにした。前日に始まった第3回離脱交渉を念頭に置いたもので、英国政府が相次いで発表した方針やポジションペーパーについて、「満足できる内容でない」と語り、「離脱に向けた諸課題が解決し、離脱が完了した上でなければ、英国との新たな経済・通商関係について交渉を始めることはない」とあらためて強調した。


英国政府の方針には満足できず

欧州委のユンケル委員長は8月29日、ブリュッセルで開催されたEUから各国・諸機関に派遣している大使を集めた年次会合で基調講演に立ち、EUをめぐる経済情勢や難民問題などについて見解を述べた中で、8月28日から始まった第3回離脱交渉についての厳しい現状認識を明らかにしたほか、対世界の外交面では、EU域内の雇用創出につながる自由貿易と、それを支える通商協定の重要性を語った。

ブレグジット問題についてユンケル委員長は、「現在、交渉中である上、英国政府の出方がはっきりしない状況であるため明言は避けたい」と切り出し、「それでも、はっきりさせておきたいことがある」として、「英国政府が発表した方針やポジションペーパーには全て目を通し、熟考したが、いずれも満足できる内容でなかった」との認識を示した。また、北アイルランドの国境問題やEU・英国双方の市民の権利保障問題について、英国政府は決定的な解決策を示していないとして、未解決な課題が山積する現状に不満を漏らした。

まずは「離脱問題」の解決を

さらにユンケル委員長は「これらの課題が解決し、離脱が完了した上でなければ、EUと英国との新たな経済・通商関係についての交渉を始めることはないことを明確にしておく必要がある」とも語り、従来のEUとしての交渉方針をあらためて強調した。

ブレグジット問題をめぐる第3回交渉はブリュッセルで、8月28日から4日間の日程で行われている。しかし、欧州委のミシェル・バルニエ首席交渉官は交渉開始直前に、「英国政府にはまず離脱問題についての姿勢を明確にしてもらいたい。(EU離脱に関する)曖昧な要素を速やかに除去できれば、それだけ早く(EUと英国との経済・通商を含めた)将来関係についての交渉を始められる」とツイッターで発信しており、EUが解決を急ぐ「3課題」(2017年5月1日記事参照)への最終的な判断がない中で、暫定的な関税同盟などについて提言する英国政府(2017年8月17日記事参照)に対するいら立ちを募らせている。バルニエ首席交渉官は8月21日のツイッターでも、第3回交渉会合に向けた抱負として「秩序ある離脱協議に注力する」と述べており、3課題の中でも特に財政問題について英国側の姿勢が問われている。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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